エアライン, 官公庁, 解説・コラム — 2014年11月25日 06:30 JST

国交省「8.10ペーパー」は何を意味するのか スカイマークとJAL提携で再注目

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 2014年7-9月期の四半期レビュー報告書で、監査法人から「重要な不確実性が認められる」との見解が示されたスカイマーク(SKY/BC、9204)。今後の経営立て直しを進める上で実現にこぎつけたいのが、日本航空(JAL/JL、9201)とのコードシェア(共同運航)提携だ。羽田-福岡線などを視野に、2015年2月開始を目指して検討を進めていく。

JALにコードシェア提携を求めるスカイマーク=14年5月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 弊紙11月23日掲載の「なぜスカイマークはJALと組みたいのか シリーズ・航空業界素朴な疑問(3)」では、なぜ国内航空会社で売上高首位の全日本空輸(ANA/NH)ではなく、JALとの提携を模索するのかや、なぜJALはSKYに出資しないのかを解説した。

 本記事では、SKYがJALに持ちかけた経営支援要請で再び注目を集める、国土交通省航空局(JCAB)がJALに対して2012年8月10日に示した文書「日本航空への企業再生への対応について」(いわゆる8.10ペーパー)とは何かを、改めて取り上げる。

法的拘束力ない8.10ペーパー

 この8.10ペーパーが出されたのは、今から2年前の2012年。この年は9月にJALが再上場し、11月には羽田空港の国内線発着枠1日25枠(年間2万回、1日25便分)の配分が決まった。

 JALの再上場に反対だったのは、さらなる格差拡大を懸念するライバルのANAや、政権復帰を目指す自由民主党。自民党としては、2012年末に政権を手放すことになる民主党にとって、唯一とも言える成功事例であるJAL再生を快く思っていなかった。ANAとJALで発着枠配分の明暗が分かれた要因の一つに、自民党の存在がある。

 発着枠配分はANAが8枠、JALが3枠と大差がつき、新規航空会社4社はスターフライヤー(SFJ/7G、9206)が5枠、SKYが4枠、スカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ/6J)が3枠、エア・ドゥ(ADO/HD)が2枠となった。

 こうしてANAとJALの格差是正が焦点となり、発着枠配分は決定した。8.10ペーパーは発着枠とは別の観点で、JCABがJALの再生過程を監視する上で示したものだ。しかし、法的拘束力はない。再上場や発着枠配分といったイベントを目前に控えた時期に、自民党の一部強硬派議員に対する“ガス抜き”として出された意味合いが強い。

 8.10ペーパーの監視対象は、JALの中期経営計画の最終年度となる2016年度までの投資や路線の計画だ。しかし、今回改めてこのペーパーを取材していく中で、SKYに対する営業支援であるコードシェアは、監視対象には含まれていなかった。

 一方で、国民生活に不可欠な路線の維持や、利益の


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