米空軍は現地時間5月4日、戦略爆撃機B-52H「ストラトフォートレス」のエンジンをロールス・ロイス製F130へ換装し、B-52J仕様へ改修する計画について、詳細設計審査(CDR)を終えたと発表した。1960年代から使われているTF33エンジンを燃費効率の高い新エンジンに換装するもので、まず2機を改修し、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地で試験する。

F130のイメージイラスト(ロールス・ロイスのサイトから)
この改修は、B-52J商用エンジン換装プログラム(CERP)の一環。米空軍ライフサイクル管理センター(AFLCMC)の爆撃機部門が管理し、推進部門の支援を受けて進めている。最初の機体は今年後半に、ボーイングのテキサス州サンアントニオ施設へ到着し、改修に入る予定。試験完了後は、残るB-52H機隊の改修へ進む。
CDRでは、米空軍、ボーイング、ロールス・ロイスの専門家が、システム全体の設計を精査。主要な改修作業を始める前に、設計が運用上の要求と技術要件を満たしているかを確認した。
改修では、新エンジンの搭載に加え、新型発電機などのサブシステムも導入し、機体の電力供給能力を大幅に高める。将来の能力追加に対応する狙いがある。

ロールス・ロイスのB-52用エンジンF130(同社サイトから)

ロールス・ロイスのB-52用エンジンF130(同社サイトから)
米空軍は2021年9月、B-52Hのエンジン換装をロールス・ロイス・ノース・アメリカに発注した。F130は、ロールス・ロイスの民間機用エンジンBR700ファミリーのうち、ビジネスジェットのガルフストリームG650に搭載するBR725を軍用機向けとしたもの。B-52は1機あたり4つのポッドに8基のエンジンを搭載しており、ロールス・ロイスは600基以上の引き渡しを計画している。
ボーイングは機体統合の主契約者として、部品の調達と製造を進めている。サンアントニオの施設で、最初の2機のB-52HをB-52J仕様に改修する。ロールス・ロイスは、換装用のF130エンジンを製造する。
米空軍のCERPプログラムマネジャーを務めるティム・クリーバー中佐は、今回のCDRについて、ボーイング、ロールス・ロイス、米空軍による技術作業と統合作業の集大成だと説明。構想段階から設計を経て、実機改修と試験へ移る節目だとしている。

RR製エンジンF130に換装する米空軍のB-52(同軍提供)

RR製エンジンF130に換装する米空軍のB-52(中央、同軍提供)

ロールス・ロイスのB-52用エンジンF130(同社サイトから)
関連リンク
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F130(Rolls-Royce)
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Rolls-Royce
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