エアバス, 官公庁, 機体 — 2026年2月24日 06:15 JST

エアバス、NATO次世代回転翼機「NGRC」コンセプト2案 高速複合機案と従来型

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 エアバス・ヘリコプターズは現地時間2月23日、NATO(北大西洋条約機構)の次世代回転翼機構想「NGRC(Next Generation Rotorcraft Capabilities)」向けに、次世代回転翼機のコンセプト2案を発表した。高性能な従来型ヘリコプター案と高速複合型案を組み合わせることで、運用効率と機体間の補完性を高める狙いがある。

エアバス・ヘリコプターズがNATOに提案するNGRCコンセプトの高速複合型案(同社提供)

 提案は米RTX傘下のコリンズ・エアロスペースとレイセオン、MBDAと共同で開発したもので、高性能従来型ヘリと新型の高速複合型コンセプトの2機種で構成する。モジュール式のオープンシステム・アーキテクチャを採用し、製造や整備、アップグレードを簡素化するとともに、長期的な経済性の確保を図る。2つのコンセプトは高度に接続され、メンテナンスや訓練、兵器、各種システムの面で共通性を持たせる設計とした。

 エアバス・ヘリのブルーノ・エヴァンCEO(最高経営責任者)は、欧州が軍事パートナーの需要に最も適したプラットフォームを提示できるようにすることが目的だと説明する。経済性や運用効率、可用性の面で軍の要求を満たす従来型ヘリと高速回転翼機の双方を用意し、将来の軍事作戦に向けたパートナーとの意見交換のたたき台とする考えを示した。

 同社は既存の軍用ヘリコプターの進化も並行して進めており、NH90についてはブロック1とブロック2の検討を通じて長期的な改良ロードマップを描いている。H145MやH160M、H225Mで構成するデュアルプロダクトレンジでは、経済性やコネクティビティ、整備性の面で新たな標準を打ち出している。

 一方で、次世代の回転翼機システムでは、コネクティビティやサイバーセキュリティ、有有人機と無人機の協調運用、多領域での協調戦闘、生残性、戦闘損傷からの復旧といったモジュール型マルチプラットフォーム技術の活用を進めている。

エアバス・ヘリコプターズがNATOに提案するNGRCコンセプト2案(同社提供)

 NGRCを巡っては、NATO支援調達機関(NSPA)が2024年7月にエアバス・ヘリと契約を結び、中型マルチロールヘリコプターの設計や開発、供給、サポートに向けたコンセプト調査が進む。今回発表した2つのコンセプトは、この枠組みの下で進める次世代機検討の中核となる。

 高速複合型コンセプトは、軍用ヘリと高速飛行で培った同社の経験を生かしたものとなる。複合構成の実証機「X3」や「Racer(レーサー)」で得た知見を基に、従来型より大幅に高い速度と広い飛行領域を実現し、急速な加速と減速、高速な上昇と降下を可能にする。欧州の次世代回転翼技術プログラムの一環としてRacerを用いた軍パイロットによる飛行評価で、翼やプロペラを追加した構成の効果が確認されており、こうした飛行試験と運用者からのフィードバックが今回の次世代能力提案の基盤になっている。

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