京成電鉄(9009)は2月13日、成田空港へのアクセス強化策として、押上駅と成田空港を結ぶ有料特急用の新型車両の2028年度導入と、成田スカイアクセス線の複々線化を含む輸送力増強策の検討に着手したと発表した。成田空港の第3滑走路(C滑走路)新設や訪日客増加を見据え、空港アクセス列車の増発と所要時間の短縮を進める。

京成が28年度に投入を計画している新型特急車両のイメージ(同社資料から)
新しい有料特急は、押上-成田空港間を走る成田スカイアクセス線で運行。最高速度は現在の「スカイライナー」と同じ時速160キロを予定し、押上-空港第2ビル駅間の所要時間を現在のアクセス特急のおおむね50分台から、最速30分台前半へ短縮をめざす。13日の発表では、ブルーを基調とする現在のスカイライナーから装いを一新し、マゼンタを基調とした流線型の車両デザインイメージの一部を公開した。運行形態や愛称、内外装の詳細は今後、順次明らかにする。
インフラ面では、オーバーツーリズムの影響などで混雑が続く空港アクセス列車の輸送力を高めるため、成田スカイアクセス線の複線化と新線整備による複々線化を検討する。現在単線となっている成田湯川-成田空港駅間を複線化し、新鎌ヶ谷-印旛日本医大駅間の約20キロには新線を整備して、既存線と合わせて複々線化を計画している。
新線側は、時速160キロで走るスカイライナーと新型有料特急の専用線とし、アクセス特急や北総線の一般列車と線路を分離することで、空港アクセスと沿線需要の双方に対応しやすいダイヤ編成を目指す。
京成によると、新線整備や複線化が実現した場合、列車本数の増加に加え、所要時間の短縮も見込む。スカイライナーは日暮里-空港第2ビル駅間の最速36分を30分台前半へ縮める計画で、新しい有料特急は車両導入段階の最速30分台前半から、将来的に20分台後半まで短縮することを想定している。大規模な投資と長期的な費用回収が必要なことから、今後は国や千葉県、空港を運営する成田国際空港会社(NAA)などと整備手法や費用分担について協議を進める。

京成が計画している成田スカイアクセス線の新線整備計画(同社資料から)

空港周辺の単線区間(NAAの資料から)

29年3月末の供用開始を目指す成田空港のB滑走路延伸・C滑走路新設計画(NAAの資料から)
京成は2025年5月21日に、押上-成田空港駅間に新しい有料特急を2028年度に導入する方針を発表。今回はより具体的な案を明らかにした。京成は2010年7月に成田スカイアクセス線を開業し、都心から成田空港へのアクセス向上を図ってきた。新型車両とインフラ整備は、成田空港の機能強化に対応し、都心と空港を結ぶ輸送力とサービス水準の底上げにつなげる。
成田空港では第3滑走路の建設が進んでおり、2029年3月末の供用開始を予定。その後は、現在3カ所に分かれている旅客ターミナルを新たなターミナル1つに集約する「ワンターミナル」構想を進めており、候補地は現在の第2ターミナル南側としている。第3滑走路の供用開始後は、2030年代前半から中ごろの「ステップ1」、2030年代中ごろ以降の「ステップ2」、2040年代の「ステップ3」と3段階で新ターミナルや周辺を整備する計画で、ステップ1で新ターミナル北側に新駅を開業して現在の成田空港駅を閉鎖し、ステップ2で空港第2ビル駅も閉鎖する方針を示している。
成田空港には京成とJR東日本(東日本旅客鉄道、9020)の2社が乗り入れており、現在の鉄道施設は建設途中で中止となった成田新幹線の施設を転用したもの。このため、成田市土屋から空港までの約9キロは単線で、両社が1線ずつを使用する構造になっている。空港アクセス列車だけでなく通勤・通学時間帯の一般列車も混雑が慢性化しており、増発には複線化が不可欠とされてきた。
関連リンク
京成電鉄
成田国際空港
成田空港の明日を、いっしょに(NAA)
25年5月の発表
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