ボーイング, 官公庁, 機体 — 2025年6月17日 11:19 JST

ボーイングと豪空軍、無人機MQ-28とE-7A連携実証 1人で複数機を遠隔操縦

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 ボーイングは現地時間6月16日、豪州空軍と共同で、無人戦闘支援機MQ-28「ゴーストバット」を早期警戒管制機(AEW&C)E-7A「ウェッジテイル」から遠隔操縦し、空中目標に対応する試験飛行を実施したと発表した。E-7Aに搭乗する1人のオペレーターが複数のMQ-28を同時に遠隔操縦する形で、CCA(協調型戦闘機)とE-7Aとの連携能力を実証した。

豪州空軍のE-7Aと2機のMQ-28(ボーイング提供)

 今回の試験では、飛行中の2機のMQ-28に加え、1機のデジタル航空機をE-7Aから制御。MQ-28が有人機の前方を飛行して護衛する運用構想に基づき、E-7A内のオペレーター1人が全機を遠隔操縦した。

 ボーイングのMQ-28グローバルプログラム担当ディレクター、グレン・ファーガソン氏は「システム群の統合やオープン・システム・アーキテクチャの強みを示すものであり、E-7Aに他国のソフトや通信システムを統合するための重要な一歩」と説明。MQ-28の運用構想の要素や、E-7Aの役割拡張に向けた可能性を検証する試みで「プログラムの成熟度を示す具体的な証拠」と述べた。

MQ-28Aゴーストバット(同社提供)

 今回の試験に使われたソフトウェアは、ボーイング・ディフェンス・オーストラリアと、豪国防省の防衛科学技術グループ(DSTG)、米空軍研究所が共同で開発。今後はF/A-18FやF-35など他の機体との連携も計画しており、一連の試験は「CD25(Capability Demonstration 2025)」と位置づけられている。

 MQ-28Aは、ボーイング・ディフェンス・オーストラリアと共同開発した軍用無人機。全長11.7メートル、航続距離は3700キロメートル以上。AI(人工知能)を活用し、ほかの有人機や無人機と連携しながら情報収集・警戒監視・偵察・電子戦などの任務を遂行する。

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Boeing
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