エアバスは現地時間6月11日、インドネシア空軍向けの空中給油・輸送機A400Mの初号機(MSN148)が、スペイン南部セビリアの最終組立工場で塗装を終え、ロールアウトしたと発表した。現在は地上試験を進めており、初飛行を経て今年後半に引き渡される見通し。

ロールアウトしたエアバスのインドネシア空軍向けA400初号機(同社提供)
インドネシア国防省は、2021年にA400Mを2機発注。2号機(MSN150)も最終組立が進行中で、電源投入や油圧・操縦系統の動作確認を進めている。
A400Mは最大ペイロード37トンで、軍用車両やヘリコプターなどを積載可能。巡航速度はマッハ0.72、航続距離は最大2,400海里で、未舗装滑走路での運用にも対応する。空中給油や人道支援、医療搬送など多目的運用を想定しており、インドネシア空軍の戦略的・戦術的任務の柔軟性向上が期待されており、空中給油も可能となっている。

ロールアウトするエアバスのインドネシア空軍向けA400初号機(同社提供)
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