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成田空港を運営する成田国際空港会社（NAA）は6月5日、第2ターミナル地下1階に開設するオンライン診療に対応した診療所「成田国際空港第2クリニック」を報道関係者に公開した。訪日外国人や空港で働く従業員向けの施設で、英語や中国語にも対応した医療サービスを提供する。
成田第2ターミナルに開業するオンライン診療所「成田国際空港第2クリニック」＝25年6月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
診療科は内科で、オンライン形式で往診。日本語・英語・中国語に対応。保険診療が可能なほか、処方箋の発行や必要に応じた医療機関の紹介、日本滞在中のインバウンド受診者へのアフターフォローもオンラインで行う。
医師は常駐しないが、看護師や事務スタッフが常駐。バイタルや体温、血圧、酸素濃度を測定し、ビデオ電話で医師に結果を報告後、医師による診察が始まる。診療時間は木曜・土曜・日曜の午前9時から午後5時まで。時間外は第1ターミナルの診療所や周辺の医療機関を利用するよう呼びかけている。
診療所の開設は都道府県が許可しており、NAAによると、医師が常駐しないオンライン診療所は千葉県内では初となり、「おそらく日本でも初めてではないか」という。
成田第2ターミナルに開業するオンライン診療所「成田国際空港第2クリニック」＝25年6月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田第2ターミナルに開業するオンライン診療所「成田国際空港第2クリニック」＝25年6月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
成田空港には、これまで1タミに空港クリニック、2タミに日本医科大学の診療所があったが、日本医大は2023年3月31日、空港クリニックは同年12月27日で診察を終了。NAAによると、両医院とも医師不足が原因による閉院だった。
1タミには、2024年1月19日に台湾系日本人の徐立恆医師が代表を務める一般社団法人晴天会が、成田国際空港クリニックを開業。2タミは、同年7月に晴天会と同系列の医療サービス提供会社であるジョーズコーポレーション（渋谷区）が運営する健康相談窓口「Narita Airport × OHDr.健康医療サポートステーション」の開設にとどまっていた。NAAによると、訪日客のニーズだけでなく、2タミや3タミ、貨物地区の従業員からも、診療所の開設を望む声が多く寄せられていたといい、同所をオンライン診療所に発展させた。
2タミの診療所も晴天会が運営。診療所を開設する場合、管理者となる医師が週4日以上常勤する必要があり、医師不足でNAAの開設要請に応じられる医療機関探しが難航する中、晴天会から医師が常駐しないオンライン診療所の提案があったという。国の規制緩和に伴い、一定の条件を満たすオンライン診療所であれば、週1日でも診察可能になったことから、週3日の診察でスタートすることになった。
NAAは将来的に第2ターミナルで365日体制の診療提供を目指しており、利便性と安心感の向上を図る。
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