IATA(国際航空運送協会)は、代替航空燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」の生産量が2025年は200万トン(約25億リットル)に増加するとしつつも、世界の航空会社による航空燃料使用量の0.7%にとどまるとの見通しを発表した。欧州での義務化を背景に調達コストが上昇しており、IATAは生産拡大とコスト低減を阻む制度面の課題を指摘している。
—記事の概要—
・義務化で調達コスト倍増
・石油大手との格差是正課題
義務化で調達コスト倍増
インドのデリーで現地時間6月1日から開かれている第81回AGM(年次総会)で、IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は「生産量の倍増は前向きな動きだが、それでも航空燃料の0.7%に過ぎない。この比較的少ない量でさえ、世界全体の燃料費に44億ドルが追加される」と述べ、生産効率の向上とコスト削減の加速を求めた。
デリーで開かれているIATAの第81回年次総会=25年6月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
現在SAFの多くは欧州市場に向かっており、EU(欧州連合)と英国では今年1月から義務化が始まった。IATAによると、SAF供給事業者が
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