カタール航空(QTR/QR)は現地時間5月14日、最大210機のボーイング製ワイドボディ(広胴・双通路)機を発注すると発表した。内訳は中型機787が130機、開発中の大型機777-9(777X)が30機で、両機種を対象とした50機分のオプションも含む。787としては過去最大の発注で、ボーイング全体としてもワイドボディ機では史上最大の受注規模となる。今回の発表はトランプ米大統領がドーハを訪れ、カタールのタミーム首長との会談に合わせて行われた。

最大210機の787と777Xを発注したカタール航空(ボーイング提供)
エンジンはGEエアロスペースと契約し、777-9向けにGE9Xを248基、787向けにGEnxを260基導入する。両機種に関するMRO(整備・修理・分解点検)契約も締結しており、GEにとってワイドボディ機向けでは過去最大規模の契約となった。
カタール航空は現在、777と787に加え、777F貨物機などボーイング機を150機以上運航している。カタール航空のバドル・モハメド・アル・ミールCEO(最高経営責任者)は、「世界でもっとも若く効率的な機材群の構築が戦略の中核であり、記録的な業績に続く次のステージに位置づけられる」と語った。
ボーイングの4月末時点の受注履歴によると、カタール航空向けの受注残は129機で、777Xが94機、787-9が10機、737 MAXが25機。今回の発注と合わせると、ワイドボディ機の受注残は最大314機となる。納入済みの直接購入機は125機で、777-300ERが40機、777-200LRが4機、777Fが28機、787-9が20機、787-8が30機、737 MAXが3機となっている。
契約調印式には、トランプ米大統領、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長のほか、カタール航空グループのバドルCEO、ボーイングのケリー・オルトバーグ会長兼CEO、民間航空機部門のステファニー・ポープ社長兼CEOらが出席した。
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