トキエア(TOK/BV)の長谷川政樹社長は4月24日、同社の3号機である仏ATR製ATR42-600型機(登録記号JA03QQ)を佐渡空港にも就航させる考えを改めて示した。

3号機ATR42の前で取材に応じるトキエアの長谷川政樹社長=25年4月24日 PHOTO: Daigo TAKENOBU/Aviation Wire
佐渡空港は滑走路長が890メートルと短く、ATR42-600は乗客数を定員の約半分の22人までに抑えなければならない。ATRは、800-1000メートルの短い滑走路で乗客48人を乗せて離着陸できるSTOL(短距離離着陸)型「ATR42-600S」を開発していたが、サプライチェーンのひっ迫が続いていることや、今後の需要が見込めないとして2024年11月13日に開発中止を発表した。
トキエアもATR42-600Sの導入を計画していたが、この影響で機材計画が見直しとなり、従来佐渡へ暫定的な導入を検討していた通常型のATR42である3号機を、本格的に就航させる可能性も出てきた。
長谷川社長は「滑走路の長さと飛行に関してまだ課題があるが、佐渡にも着陸させたい」と語った。成田空港への就航計画については「その前に佐渡を何とかする。その後のステップ」と述べるにとどめた。

開発中止となったATR42-600S(ATR提供)

トキエアの3号機ATR42(手前)と2号機ATR72=25年4月24日 PHOTO: Daigo TAKENOBU/Aviation Wire
トキエアの機材は、1機目と2機目が長胴型のATR72-600型機(1クラス72席)、3機目は標準型のATR42-600(同46席)で計3機。客室仕様のうち、シートピッチは3機とも29インチ(約74センチ)で、3号機の前方12席のみ32インチ(約81センチ)となる。29インチはLCC(低コスト航空会社)の単通路機で主流のシートピッチで、32インチは海外のSC(フルサービス航空会社)のエコノミークラスで標準的な値となる。
3号機は29日に開催予定のチャーター便が初便となる計画だったが、それまでは予備機として運用しているため、19日の新潟発中部行きBV401便が初便となった。
当面3号機はチャーターや予備機として活用するという。機材数が少ない航空会社では、他社と連携して同型機を「共同事業機」に設定するなどの動きもある。長谷川社長は「パーツはシンガポールやフランスから輸送することになるので、チャンスがあれば国内の航空会社と連携したい」と語った。
関連リンク
トキエア
3号機ATR42公開
・トキエア、3号機ATR42公開 前方12席は足元広め(25年4月24日)
ATR42-600S開発中止
・ATR、STOL型ATR42-600S開発中止 トキエアが導入意向(24年11月14日)
3号機
・トキエア、3号機ATR42が引き返し 就航2日目、不具合で(25年4月20日)
・トキエア3号機ATR42、4/8・15に“慣らし飛行”(25年4月7日)
・トキエア3号機、前方席はピッチ広め32インチ(25年4月3日)
・トキエア3号機ATR42、4/29に新潟遊覧チャーター 足元広いシートも(25年4月3日)
・トキエア、3号機が新潟到着 初のATR42(25年4月2日)
・ATR、トキエア3号機ATR42の写真公開(24年12月6日)
・トキエア、3号機の機内写真公開(24年10月9日)
・トキエア、3号機ATR42の写真公開(24年9月24日)
トキエア
・トキエア、神戸就航 仙台は運休(25年3月30日)
・トキエア、仙台3/30運休 夏休みは期間運航(25年2月27日)
・トキエア、中部減便 6/30まで週4往復に=夏ダイヤ(25年2月3日)
・新潟のトキエア、中部就航 ATR72で3路線目(24年9月27日)
・トキエア、新潟-仙台就航 夏前に週7日運航へ(24年4月26日)
・トキエア、丘珠からも出発 週4日運航でスタート(24年1月31日)
・トキエア、新潟-札幌初便が出発 2年遅れで就航(24年1月31日)