エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2024年1月25日 23:22 JST

アラスカ航空、737MAX9運航再開へ FAAが検査手順承認、ボーイングの監視強化

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 アラスカ航空(ASA/AS)は現地時間1月24日(日本時間25日)、ボーイング737 MAX 9(737-9)の運航を早ければ26日から順次再開すると発表した。同社が運航する737 MAX 9のドアプラグが離陸直後に脱落した5日の事故後、FAA(米国連邦航空局)が同型機の検査整備指示書を24日に承認したことで、整備作業の準備が整ったため。

左後方のドアプラグが脱落したアラスカ航空の737 MAX 9の機内(NTSB提供)

 アラスカ航空は、737 MAX 9(3クラス178席)を65機保有。点検には1機あたり最大12時間かかり、来週には全機完了する見通し。同社によると、耐空性が確認できた場合に限り、最初の数機を26日から定期便の運航に戻すという。FAAの要請により、2週間前に20機の予備検査を終えており、データはFAAに提供された。

 79機保有するユナイテッド航空(UAL/UA)も、28日までには運航を再開できる見込み。

 FAAが24日に承認した整備プロセスでは、1)特定のボルト、ガイドトラック、金具の点検、2)機体中央の左右にあるドアプラグと関連部品数十点の詳細な目視点検、3)ファスナーの増し締め、4)損傷や異常状態の修正の4点を、必要な作業として求めた。

 FAAのマイケル・ウィテカー長官は24日、「このプロセスで明らかになった品質管理上の問題が解決されたと我々が納得するまで、ボーイングからの生産拡大要請や、737 MAXの生産ライン増設の承認には応じない」との声明を発表。今回の運航再開で「ボーイングが通常通りのビジネスに戻ることはない」(ウィテカー長官)とクギを刺し、安全が確認された機体に対する運航再開は認めるものの、今回の事故機が2023年10月に引き渡されたばかりの新造機だったことや、ボーイングで品質問題が多発している事態を重く見た。

 ボーイングの生産体制に対するFAAの監視は強化され、1)737 MAの生産拡大に上限を設け、説明責任と要求される品質管理手順の完全遵守を確保する、2)ボーイングが製造要件を遵守しているかを精査する調査の開始、3)ボーイングの全施設で立会いを強化し、新型機の監視を積極的に拡大する、4)リスクを特定するためにデータを綿密に監視する、5)品質管理と権限委譲に関する、安全に焦点を当てた潜在的な改革の分析を開始する、といった項目が加わった。

 事故は今月5日に米オレゴン州のポートランド国際空港で発生。アラスカ航空のオンタリオ行きAS1282便(737 MAX 9、登録記号N704AL)が離陸直後、後方左側のドアプラグが脱落した。乗客171人と乗員6人の計177人はポートランドへ無事戻り、重症者はなかった。航空会社の仕様により非常口ドアとして使用されるもので、アラスカ機の場合は外から見るとドアプラグを確認できるが、客室からは通常の壁と同じように見える。

 FAAは、翌6日に171機の737 MAX 9に対し、運航停止を命令。緊急耐空性改善命令(EAD:Emergency Airworthiness Directive)を同日発行し、8日に承認した。12日に発行され、18日に発効したAD(耐空性改善命令)はこのEADの内容を踏襲しており、客室中央部のドアプラグが飛行中に脱落する事態に対処するもの。この事態に対処しない場合、機体が制御不能に陥る危険性を指摘している。

 製造元のボーイングに対し、FAAは生産・製造に対する監視を強化する重要措置を12日に発表。サプライヤーの米スピリット・エアロシステムズも含めて監視を強化し、ボーイングへの権限移譲と品質管理の安全リスク評価などを進めていく。

 日本国内では、同型機を運航している航空会社はなく、737 MAXを今後導入する社でも737 MAX 9を発注したところはない。

関連リンク
Federal Aviation Administration
National Transportation Safety Board
Boeing
ボーイング・ジャパン
Alaska Airlines

FAA、737MAX9のAD発効 離陸直後にドアプラグ脱落(24年1月22日)
737MAXドアプラグ脱落、FAAが緊急耐空性改善命令 ユナイテッド機もボルト緩み(24年1月9日)
FAA、同一仕様737MAXの運航停止 アラスカ機事故でEAD発行へ(24年1月7日)
アラスカ航空の737MAX、離陸直後に非常ドア脱落 AS1282便、ポートランド引返(24年1月6日)
737MAX、納入を一部停止 スピリット製部品の品質問題(23年4月14日)