エアライン, 解説・コラム — 2023年7月6日 13:07 JST

ジェットブルー、アメリカン航空との提携解消へ スピリットと合併目指す

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 米ジェットブルー(JBU/B6)は現地時間7月5日、アメリカン航空(AAL/AA)と米東海岸路線を念頭に締結している「北東部提携(NEA)」を解消すると発表した。ジェットブルーはULCC(超低コスト航空会社)の米スピリット航空(NKS/NK)との合併を目指しており、米司法省(DOJ)がNEAに懸念を示していたことから、ジェットブルーは提携解消を選択した。

アメリカン航空とのNEAを解消するジェットブルー=23年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ニューヨークやボストンを拠点とするジェットブルーは、アメリカン航空とコードシェア(共同運航)提携を2020年に締結。デルタ航空(DAL/DL)やユナイテッド航空(UAL/UA)の東海岸路線に対抗する利便性向上サービスとして、NEAを始めた。その後、2022年7月28日にジェットブルーはスピリットと合併し、米国の大手4社に対抗するLCCを設立すると発表した。

 これに対し、DOJはジェットブルーが大手のアメリカン航空とNEAを結んでいることに懸念を表明。ジェットブルーは「NEAの競争促進効果に確信を持っているが、今まで通り継続することは不可能である、との判断に不服を申し立てないという、難しい決断を下した」との声明を発表した。NEA解消に向けたスケジュールについては「消費者を保護するような事業撤退計画を達成する」としており、利用者への影響を最小限に抑える方針を示した。

 スピリットは当初、同じくULCCのフロンティア航空(FFT/F9)を傘下に持つフロンティア・グループ・ホールディングスとの合併を目指しており、2022年後半に合併する計画を同年2月7日に発表していた。その後、同年7月にジェットブルーとの合併を発表して、フロンティアとの計画は破棄している。

 ジェットブルーとスピリットの合併は、2024年に完了する計画。FSC(フルサービス航空会社)のアメリカン、デルタ、ユナイテッドの3社に、LCCのサウスウエスト航空(SWA/WN)を加えた大手4社が市場の80%以上を支配しているとして、合併により航空運賃の低廉化を目指すとしている。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がアメリカンとジェットブルー両社とコードシェア提携を結んでいる。

関連リンク
JetBlue
アメリカン航空
The Case for NEA

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