エアライン, 官公庁, 空港, 解説・コラム — 2023年5月8日 23:34 JST

デルタ航空要望の羽田柔軟運用、アメリカン航空が賛同 米国どこからでも乗り入れ

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 デルタ航空(DAL/DL)が米国運輸省(DOT)に申し立てた羽田空港の国際線発着枠の柔軟な運用について、アメリカン航空(AAL/AA)は賛同を表明した。新型コロナ後の需要回復遅れに対する時限措置で、実現すると羽田発着枠を配分されている米国の航空会社は、各社最大2枠まで米国内のどこからでも羽田に乗り入れられるようになる。

デルタ航空の提案に賛同を表明したアメリカン航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アメリカンは「緩和策を支持する」とし、「出発地に柔軟性を持たせることは、オープンスカイ(航空自由化)の原則に則り、すべての参加航空会社が変革する状況にネットワークを適応させることを可能にし、公共の利益を創出する」とコメントした。

 デルタは現地時間5月1日に、米国の航空会社が3年間に限り米国内のどこからでも羽田へ乗り入れられる制度「羽田ゲートウェイフレキシビリティ」をDOTに提案。2019年に米国各社に配分された羽田発着枠は、デルタが最多の1日5枠(5往復)、ユナイテッド航空(UAL/UA)が4枠、アメリカン航空が2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)が1枠で、DOTの監督の下、各社最大2枠までを米国内のどこからでも羽田に就航できるようにするもの(関連記事)。

 デルタの主張によると、今年3月までの過去1年間の米国-東京間の旅客数は、2019年の半分以下となる49%の回復にとどまる一方、米国からの長距離国際線上位20都市の平均回復率は72%で、羽田路線の回復が遅れているという。

 現在デルタは、アトランタ、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス、シアトル、ポートランド、ホノルルの7都市から羽田へ直行便を運航できる発着枠を配分されているが、ポートランドとホノルルの2路線は運休が続いている。

 アメリカンの羽田路線は、ダラス・フォートワースとロサンゼルスの2路線。ダラスからは成田にも乗り入れており、ロサンゼルスはジョイントベンチャー(JV、共同事業)のパートナーである日本航空(JAL/JL、9201)も羽田から運航していることから、最大2路線分の発着枠を有効活用できるデルタの提案に賛同したとみられる。

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