企業 — 2023年4月6日 15:19 JST

スシローの廃食用油で国産SAF 日揮ら4社が基本合意

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 回転寿司「スシロー」などの飲食店を傘下に持つFOOD & LIFE COMPANIES(FLC、3563)、日揮ホールディングス(1963)、レボインターナショナル(京都市)、SAFFAIRE SKY ENERGY(サファイアスカイエナジー、横浜市)の4社は4月5日、スシローなどの店舗で出た使用済み食用油を国産の代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料、サフ)」の原料として供給する基本合意書を締結した。大手外食チェーンが全国規模で基本合意し、廃食用油をSAFの製造に供給するのは業界初だという。

国産SAFの原料として廃食用油を提供するスシロー(4社の発表資料から)

 FLCはスシローと大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」の2業態合わせて約680店舗で使用した廃食用油を、年間約90万リットル提供する見込み。レボが廃食用油を収集し、サファイアが計画するSAF製造装置向けに引き渡す。

 サファイアは日揮HD、コスモ石油、レボの3社が2022年11月1日に設立。廃食用油を原料とした国産SAFの製造や供給事業を手掛け、コスモ石油の堺製油所内に日本初となる国産SAFの大規模生産プラントを建設中で、2024年度下期から2025年度初頭の生産開始を目指す。SAF製造能力は年間約3万キロリットルを計画している。NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が2021年7月21日に採択した助成事業となる。

 国産SAFを巡っては、日揮HDとレボ、全日本空輸(ANA/NH)、日本航空(JAL/JL、9201)の4社が、有志団体「ACT FOR SKY(アクトフォースカイ)」を2022年3月2日に設立。国産SAFの商用化や普及、拡大に取り組んでいる。

関連リンク
FOOD & LIFE COMPANIES
日揮ホールディングス
レボインターナショナル

JAL赤坂社長「SAFは日本が鍵」24年に国産化視野、ワンワールドで共同調達(23年1月2日)
JAL、中部空港初のSAF搭載 国内混合燃料、伊藤忠から初調達(23年4月4日)
ANA、国内混合SAFを初調達 伊藤忠から、羽田・成田で活用(23年4月4日)
政府専用機、ユーグレナ「サステオ」使用 国産SAFでCO2削減(23年1月13日)
ANAやJALら、国産SAF実用化へ「ACT FOR SKY」設立 代替燃料で脱炭素社会へ(22年3月2日)