エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2023年2月21日 11:55 JST

ZIPAIR、成田-サンフランシスコ・マニラ就航へ 787は7機に

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 ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の西田真吾社長は2月21日、成田-サンフランシスコ線とマニラ線の2路線を夏までに開設すると発表した。機材も3機増機し、2023年度はボーイング787-8型機が7機体制になる。サンフランシスコ線は2023年度第1四半期(4-6月期)、マニラ線は第2四半期(7-9月期)に就航を計画しており、年間でもっとも需要が見込める夏休み前の開設を目指す。

成田空港でサンフランシスコ線とマニラ線開設を発表するZIPAIRの西田社長=23年2月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
3国間流動と貨物
増機3機は新造2機

3国間流動と貨物

 成田-サンフランシスコ線とマニラ線とも、当初は週数便でスタートし「なるべく早期にデイリー(毎日)運航にしたい」(西田社長)という。「サンフランシスコは日本からも、アジアからも需要が非常に太く、マニラは日本との往来が増えており、フィリピンから北米を目指す人が増えている」と述べ、アジア-北米間の3国間流動を取り込む。

ZIPAIRの787-8=23年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、サンフランシスコとマニラとも観光に加えて、里帰りや留学などの需要を見込み、両都市とも貨物需要が旺盛なことも就航の決め手になったという。西海岸は、在留邦人が世界最多のロサンゼルスと、シリコンバレーの玄関口であるサンノゼの2都市へ就航しており、特にサンノゼはサンフランシスコに近い。西田社長は「サンノゼを増便する考え方もあるが、その前にサンフランシスコへ就航することにした。利用者が好きな方を選べ、回遊できる」と語った。

 ZIPAIR全体の日本人と外国人の比率は「現在は日本人が3割、残り7割が外国人だが、日本人の出国者数もこれから伸びてくるので、最終的には半々に落ち着くのではないか。インバウンド(訪日客)をお連れするのも重要な使命なので、どちらか一方という考えはない」と語った。サンフランシスコ線とマニラ線とも、価格とサービスのバランスに敏感な若者や子供連れのファミリー層の取り込みを狙う。

増機3機は新造2機

 日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCC(低コスト航空会社)であるZIPAIRは、成田-バンコク、ソウル(仁川)、ハワイのホノルル、シンガポール、ロサンゼルス、サンノゼの国際線6路線を展開。4機の787-8(2クラス290席)で運航している。

ZIPAIRの上級クラス「ZIP Full-Flat」=22年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 フルフラットシートを採用した「ZIP Full-Flat(ジップ・フルフラット)」が18席、エコノミークラス「Standard(スタンダード)」が272席となる。

 現在運航してる787は、すべてJALが運航していた機体を改修したもので、今年度内の受領を計画している5号機(登録記号JA850J)は、初の新造機となる。増機する3機は5号機を含めたもので、残り2機は新造機と改修機が1機ずつとなる。

 また、4月からは成田-ホノルル線の定期便に代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」を使用。定期便でのSAF使用は世界初で、年間燃料搭載量の約1%相当を置き換え、CO2(二酸化炭素)排出量を年間4万トン削減を目指す(関連記事)。

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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
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