エアライン, 解説・コラム — 2022年1月14日 13:59 JST

ANA、グループ内転籍可能に 職種転換も基準緩和

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 全日本空輸(ANA/NH)を中核とするANAホールディングス(ANAHD、9202)は、グループ約40社の従業員約3万8000人を対象に、働き方の選択肢を広げる制度の導入を検討しており、一部は新年度が始まる4月から開始する。グループ内での転籍や、客室乗務員から総合職へ職種転換する基準を緩和するなどの制度を導入する。

グループ内転籍など新制度を導入するANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新制度のうち、「グループ内キャリアチェンジ制度」は、ANAグループでマイルなどプラットフォーム事業を担うANA Xや、貨物事業を手掛けるANAカーゴなど8社を対象に募集を開始。審査を通った人は4月から転籍を予定している。グループ内での出向は従来からあるが転籍する制度は初導入で、非航空系事業の強化や業務のデジタル化などを進める。現在はANA本体を対象に含めていないが、実施状況などを見て導入を検討していく。

 ANA本体を対象にした制度では、従来からある「職掌転換制度」を見直し、対象者を拡大。客室乗務員の場合、これまでは一定の経験を積んだ社員が対象だったが、年次の浅い人も審査に合格すれば総合職などへ転向できるよう基準を緩和する。4月から職種転換を開始する予定で、すでに募集を開始している。

 また、結婚や配偶者の転勤、親族の介護などで地方へ移住する人がグループ内で転籍できる「ワークプレイス選択制度」も検討。希望が通れば地方のグループ企業へ転籍できるもので、2022年度の導入を検討している。

 ANAでは賃金制度も見直しを検討。年次に応じて賃金が上昇する年齢給の要素を改め、上昇の上限を48歳から40歳に前倒しするとともに、能力給を増やすことで優秀な若手社員も評価に見合った賃金を得られる制度を目指す。ANAHDの片野坂真哉社長は、現在減額している賃金水準を黒字化とセットで回復させる考えで、新制度は労働組合との協議を経て回復後に実施する見込み。

 ANAHDの今期(22年3月期)の通期業績予想は、売上高が前期(21年3月期)比45.5%増の1兆600億円(従来予想は1兆3800億円)、営業損益は1250億円の赤字(同280億円の黒字)、経常損益は1400億円の赤字(同50億円の黒字)、純損益は1000億円の赤字(同35億円の黒字)を見込む。

 2020年度末でANAグループ全体の従業員は4万6580人おり、このうちANA本体など「ANAブランド」が約3万8000人を占める。2025年度末の目標として、ANAブランドは採用抑制や定年退職などの自然減で2割超に当たる約9000人を削減し、約2万9000人とする。

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タイトルをYahoo!配信分と揃えました。(22年1月14日 14:25 JST)

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