エアバス, エアライン, 機体 — 2021年12月15日 22:18 JST

シンガポール航空、A350F貨物機を7機発注へ 25年から747-400F置き換え

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 エアバスとシンガポール航空(SIA/SQ)は現地時間12月15日、開発中のA350F貨物機の導入に向けて基本合意書(LoI)を締結したと発表した。A350Fを2025年10-12月期(第4四半期)から7機導入し、同数のボーイング747-400F貨物機を置き換え、シンガポール航空が世界で初めてA350Fを運航する航空会社になる。

シンガポール航空が導入予定のA350F(同社提供)

 シンガポール航空は世界で最も多くのA350を運航する航空会社で、現在56機を運航中。発注済みの2機のA350-900と15機のA320neoを7機のA350Fに発注変更した。また、今回の契約には5機のA350Fを追加発注できるオプションが含まれる。

 A350Fは大型旅客機A350の貨物型で、最大離陸重量は319トン、ペイロードは最大109トン、航続距離は8700キロメートル(4700海里)。全長は70.8メートルで、A350-900の66.8メートルとA350-1000の73.79メートルの間の長さとなる。エアバスによると、胴体の長さと容量は、業界標準のパレットや貨物コンテナに最適化したといい、機体後部左側に貨物ドアを設けた。エンジンは、ロールス・ロイスのA350向けエンジン「Trent XWB(トレントXWB)」のうち、A350-1000向けのTrent XWB-97が採用された。

 燃費とCO2(二酸化炭素)排出量は777Fと比べて20%以上少なくなるという。また、2027年に発効するICAO(国際民間航空機関)のCO2排出基準をクリアする。シンガポール航空によると、747-400Fと同程度のフライトで比較した場合、燃費が最大40%改善し、CO2排出量を年間約40万トン削減できるという。

 シンガポール航空が置き換える747-400Fの最大離陸重量は395トン、ペイロードは最大116トン、航続距離は8334キロメートル(4500海里)で、A350Fはほぼ同等の輸送能力を持つ。

 A350Fは、11月に開かれたドバイ航空ショーで米国の航空機リース大手ALC(エア・リース・コーポレーション)がLoIを締結。仏CMA CGMグループの航空貨物部門CMA CGMエアカーゴも4機発注しており、シンガポール航空はA350Fの契約で3社目となる見込み。

A350Fの特徴(エアバスのサイトから)

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