官公庁 — 2021年8月31日 11:00 JST

ブルーインパルスのスモーク付着、予備機が着陸前まで噴出

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 航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、8月24日に都内で東京2020パラリンピック競技大会開会日の展示飛行後、帰投した入間基地周辺に駐車してあった複数の一般車両にカラースモークが付着したトラブルで、9機飛行していたT-4練習機のうち、予備機3機の中の数機が着陸前までスモークを使用していたことがわかった。空自は担当者を現地へ派遣し、詳しい状況や原因などを調査している。

東京・芝公園上空でパラリンピックのシンボル「スリーアギトス」の赤、青、緑のラインをカラースモークで描くブルーインパルス=21年8月24日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ブルーインパルスは宮城県にある松島基地所属で、パラリンピック開催を記念した展示飛行を実施するため、埼玉県内の入間基地に展開。24日は午後2時ごろから都心上空でパラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」に用いられている赤、青、緑のラインを、6機編隊で飛行しながらカラースモークで描いた。

 15分ほどの展示飛行を終えて入間基地へ戻る際、予備機が基地周辺でカラースモークを使用した高度が低かったため、駐車してあった車にカラースモークの染料が付着したとみられる。空自によると、染料は水洗いなどでは落ちないという。

 カラースモークを使用する適正な高度は1000フィート(約305メートル)以上。予備機が基地の滑走路進入時に、着陸前の高度100フィート(約30メートル)程度までスモークを使用したことが、周辺車両に染料が付いた原因とみられ、調査を進めている。空自には翌25日から問い合わせが複数入り始めたという。

予行の22日に白いスモークを東京・市ヶ谷上空で使うブルーインパルス=21年8月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ブルーインパルスのカラースモークが車などに付着するトラブルは、1998年ごろに山口県や北海道であったといい、その後はカラースモークの使用を取りやめ、材料が異なる白いスモークに切り替えたという。今回のカラースモークは、東京オリンピック・パラリンピックに向けて開発したもので、今後の使用は未定だという。

 問い合わせ窓口を航空幕僚監部に開設し、物質の付着などの問い合わせに応じる。電話は03-3268-3111(内線60158、61092)、メールはkouhou[半角アットマーク]aso.mod.go.jpまで。受付時間は平日午前9時から午後5時まで。

 空自は「真摯に対応していきたい」としている。

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ブルーインパルス(空自)
航空自衛隊

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