エアライン, 業績, 需要, 需要実績 — 2021年6月16日 08:20 JST

エミレーツ、21年3月期損失6622億円 旅客数88%減

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 エミレーツ航空(UAE/EK)を中核とするエミレーツ・グループが現地時間6月15日に発表した2021年3月期通期決算を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、グループは過去30年以上で初めて221億ディルハム(約6622億円)の損失を計上。エミレーツ航空単体では、203億ディルハムの損失(前期は11億ディルハムの利益)となった。

21年3月期は約6622億円の損失となったエミレーツ航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 売上高は、グループ全体で前期比66%減の356億ディルハム、エミレーツ航空は66%減の309億ディルハムとなった。グランドハンドリングや旅行事業などを手掛けるグループ会社dnata(ディナータ)の売上高は62%減の55億ディルハム、損失は18億ディルハム(前期は6億1800万ディルハムの利益)となった。

 主要株主であるドバイ政府から113億ディルハムの出資を受けた一方、創業以来初めてすべての事業部門で人員削減を実施した。グループ全体の従業員数は、31%減の7万5145人になった。運航便数が大幅に減少したことから、総運航コストは46%減少した。

 エミレーツ航空の旅客数は88%減の660万人、提供座席数は83%減少し、ロードファクター(座席利用率)は34.2ポイント低下して44.3%だった。貨物輸送量は22%減の190万トンとなった。

 機材面では、総2階建ての超大型機エアバスA380型機を3機受領。一方で、ボーイング777-300ER型機を9機、A380を5機の計14機を退役させており、今年3月末時点の保有機材は259機で、平均機齢は7.3年となっている。

 また、旅客便の運休で旅客機の床下貨物スペース(ベリー)が不足していることから、777-300ERのエコノミークラス座席を取り払った簡易貨物機「ミニフレーター」を19機用意し、貨物容量を積み増した。

 3月末時点の現金資産は、利用者への払い戻しが85億ディルハム生じたことから、151億ディルハムとなった。

 6月16日現在、100ディルハムは約27ドル、約3000円となっている。

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