エアライン, 官公庁 — 2021年6月15日 20:00 JST

泉佐野市、ふるさと納税にピーチポイント復活へ ピーチと連携協定締結

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 関西空港の対岸にある大阪府泉佐野市と、関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)は6月15日、包括連携協定を締結した。これまで市職員をピーチに派遣するなどの取り組みを進めてきたが、協定を結ぶことでコロナ後の観光振興や地域活性化につなげる。ふるさと納税の返礼品として、ピーチの運賃などの支払いに使える「ピーチポイント」を今秋を目途に復活させる。

泉佐野市役所で包括連携協定を締結した千代松大耕市長(中央左)とピーチの森健明CEO、両端は同社の客室乗務員=21年6月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今回の協定は市がピーチに提案した。観光振興や特産品振興、人材育成、ブランド向上、地域活性化などの分野で連携していく。泉佐野市が航空会社と、ピーチが自治体と包括連携協定を結ぶのは、今回がともに初めて。

 市は2014年4月に職員をピーチに初めて派遣し、8年目となる現在は3人目。同年7月からは、ピーチが市のふるさと納税に返礼品としてピーチポイントを提供していた。しかし、監督する総務省が2019年6月1日から市を制度の対象自治体から除外したため、ポイント提供も同年5月末に終了した。

 その後、泉佐野市を除外したのは違法と最高裁が判断し、2020年7月1日から復帰。ピーチポイントも、対象を関空発着便に限定した上で、市に宿泊することを条件に復活させる方向で総務省と調整しており、秋にも再開できる見通し。

 泉佐野市の千代松大耕市長は、「泉佐野市での宿泊を伴えばOKというのが総務省の見解。返礼品を作り上げる段階」と語った。2014年に市からピーチへ初めて出向し、2016年に帰任後はふるさと納税を担当している市の阪上博則・成長戦略担当理事は、「当初は店舗のある旅行代理店を通じた販売になるが、オンラインの代理店にも広げたい」と、制度利用者のニーズに応じたものにしていきたいという。

泉佐野市役所で包括連携協定書にサインする千代松大耕市長(左)とピーチの森健明CEO=21年6月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、2025年に開催予定の大阪・関西万博など、コロナ後の観光需要回復後に向けた連携も強化。千代松市長は「泉州地域は関空に降り立った人が大阪市内や京都、奈良へ向かう通過エリアと言われてきた」と課題を挙げ、「泉州地域も海外の方にいろんな名所を巡っていただく」と述べ、ピーチの機内などで地域の観光資源をPRすることも検討していく。

 ピーチの森健明CEO(最高経営責任者)は、「(訪日客で)これから戻ってこられる方はリピーターが多い。中長期的な視点で観光振興や地域振興に貢献したい」として、国内外の観光客に関空の対岸である泉佐野市など地元の魅力を発信していく。

 今夏の予約状況について、森CEOは「ワクチン接種が始まり、夏に向けて回復してきており、明るい兆しが見えている。本格的に事業を再開できるタイミングでの協定締結だ」と語った、

 泉佐野市にはピーチをはじめ、航空会社など関連業種の従業員が多く住んでいる。市では、ピーチの外国人スタッフに協力を要請し、日本に住み始めて苦労した点などの情報を共有してもらい、外国人の生活支援につなげる。

泉佐野市役所で包括連携協定を締結した千代松大耕市長(中央左)とピーチの森健明CEO、両端は同社の客室乗務員=21年6月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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