エアライン, ボーイング, 機体 — 2021年3月19日 12:38 JST

ANA、777Fを成田-ロサンゼルス投入 4月に臨時便

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 全日本空輸(ANA/NH)は3月19日、大型貨物機ボーイング777Fを4月23日の成田-ロサンゼルス線に臨時便として投入すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で世界的に旅客便の運航停止や海運で使う貨物コンテナ不足が続いていることから、貨物搭載量が旅客機と比べて約3.4倍となる777Fを投入し、半導体関連や自動車部品などを運ぶ。ANAがロサンゼルスに貨物機を運航するのは初めてで、777Fの就航地としては5都市目になる。

*運航当日の記事はこちら

ANAがロサンゼルスへ就航させる大型貨物機777F=20年10月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 積荷はアジアや日本から北米へ向かうパソコンや半導体関連、自動車部品、北米発の生鮮食料品などとなる見込み。ANAは、4月の旅客便として羽田-ロサンゼルス線を週7往復(1日1往復)、成田-ロサンゼルス線を週4往復運航するほか、乗客を乗せずに旅客機で貨物のみ運ぶ貨物専用便を同数運航する計画で、旅客便と貨物専用便を合わせると羽田-ロサンゼルス線は週14往復分、成田-ロサンゼルス線は週8往復分の貨物スペースを供給できる。

 しかし、世界的な旅客便の大量運休や海運用貨物コンテナ不足の影響が続いていることから、777Fの投入を決めた。ANAによると、4月は777Fをロサンゼルス線のほか、成田-シカゴ線に週7往復、成田-上海(浦東)線に週3往復、成田-フランクフルト線に週2往復、成田-バンコク線に月4往復投入するという。4月23日以降の777Fの投入予定は決まっていないという。

 羽田-ロサンゼルス線に投入している大型旅客機777-300ERの貨物室は搭載量29トンだが、777Fは最大102トンまで積める。また、ネット通販の商品など重量は軽いものの輸送量が多い積荷もあり、貨物機内に貨物コンテナを搭載する位置「ポジション」がすべて埋まる便も少なくない。

 ANAと同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)の貨物機は11機で、2019年7月2日に就航した777Fが2機、51トン積める中型貨物機767Fが新造機の767-300Fと全日本空輸(ANA/NH)の旅客機から転用した767-300BCFを合わせて9機となる。

 ANAでは、3月の貨物便は貨物機と旅客機の貨物室による輸送を合わせ、過去最多の2349便の運航を予定している。

 4月23日の運航スケジュールは、ロサンゼルス行きNH9646便が成田を午後1時45分に出発し、午前7時35分着。成田行きNH9645便は午前9時35分にロサンゼルスを出発し、翌日午後1時30分に到着する。

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