ANA、新型コロナ検査証明アプリの実証実験へ　IATAトラベルパスでデジタル証明書

　全日本空輸（ANA/NH）は3月10日、IATA（国際航空運送協会）が開発中のスマートフォン用デジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス（IATA Travel Pass）」の実証実験を、国際線で実施すると発表した。6月末までに実施する方向で、新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種記録をデジタル証明書としてアプリで管理する。

ANAが検証に参画するIATAトラベルパス（ANA提供）

ANAが検証に参画するIATAトラベルパス（ANA提供）

　IATAは、ANAを含む航空会社13社とトラベルパスの実用化に向けてプロジェクトを進めている。今回の実証実験では、検査機関でのデジタル証明書の発行や、空港カウンターでのデジタル証明書の確認手続きの検証などを予定している。

　IATAトラベルパスは、利用者がアプリでパスポート情報を読み取り、顔認証で本人確認後、新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種記録を管理する。アプリには各国の入国要件が反映され、利用者が最新情報を閲覧できるほか、航空会社も利用者の渡航資格を確認できるようになる。

　国内の航空会社では、日本航空（JAL/JL、9201）もトラベルパスのアドバイザリーグループメンバーに参画しており、実証実験の実施を検討しているという。

　IATAや世界の航空会社では、IATAトラベルパスで新型コロナウイルスの検査情報などの管理を一元化することで、国際線再開が本格化する際に旅の安全性確保や利用者の安心につなげる狙いがある。

関連リンク
IATA Travel Pass Initiative

・新型コロナワクチン、第3便が成田到着　ANAの787で最大52万回分（21年3月1日）
・ANA、20日のA380遊覧飛行中止　緊急事態延長で、29日は予定通り（21年3月9日）
・国際・国内利用率64.8％　IATA「史上最も急減」2020年旅客実績（21年2月5日）
・21年の航空需要、コロナ変異株流行で下振れも　IATA予測、成長率を下方修正（21年2月4日）