エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2020年10月24日 15:50 JST

国内初採用エンジンLEAP 写真特集・ピーチA320neo初号機

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 国内の航空会社で初めてCFMインターナショナル製のエンジン「LEAP-1A」を搭載したエアバスA320neoが、10月25日に就航する。ピーチ・アビエーション(APJ/MM)のA320neo初号機(登録記号JA201P)で、初便は関西発札幌(新千歳)行きMM103便で、25日はその後仙台へ向かう。国内LCCが、A320neoを運航するのも初となる。

*初便の様子はこちら

ピーチのA320neoが採用したLEAP-1Aのファンブレード=20年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ピーチのA320neoは、座席数が1クラス188席。ラバトリー(化粧室)とギャレー(厨房設備)の配置を見直すことで客室後部スペースを有効活用するエアバスの客室レイアウトオプション「Space-Flex」を採用したことで、既存のA320ceo(従来型A320)と同等のシートピッチの28インチ(71センチ)を維持しつつ、座席番号31列目6席と32列目2席の計8席を増やした。

 シートは、背もたれが15度倒れた状態で固定された独レカロ製SL3510「プレリクライニングシート」を採用。SL3510は、2019年3月に就航したA320ceoの24号機(JA824P)から採用している。また、座席番号の表示はサイズを大きくして立体化することで、視認性を高めている。

関空でピーチがお披露目したA320neo初号機=20年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチが関空でお披露目したA320neo初号機の機内=20年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A320neoファミリーのエンジンは、LEAP-1Aと米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」の2機種から選べるが、ピーチのA320neo初号機は、LEAP-1Aを選定している。A320neoは従来のA320ceoと比べて最大約20%燃費が向上するが、そのうち15%はLEAP-1Aによる改善となる。ピーチでは、従来機A320ceoが採用しているCFM56-5Bの信頼性の高さから、LEAP-1Aを選んだ。

 航続距離も伸び、従来のA320ceoの2120海里(3926キロ)からA320neoは2730海里(5056キロ)に伸びた。関空を起点とした場合、A320ceoは中国やフィリピンまでの飛行距離だったが、シンガポールなどへ飛べるようになる。また、滑走路オーバーラン防止装置「ROPS」を新たに装備し、安全性が向上した。

 最大離陸重量(MTOW)はA320ceoの77トンからA320neoは79トン、最大着陸重量(MLW)は64.5トンから66.3トンにそれぞれ拡大。エンジンのファン径も、A320ceo用のCFM56-5Bの68.3インチ(173センチ)から、A320neoのLEAP-1Aは78インチ(198センチ)に大型化。最大離陸推力はCFM56の2万7000ポンドからLEAPは3万5000ポンド、バイパス比は6:1から11:1、圧力比は32.8:1から40:1に変わり、有害物質排出量は50%削減される。

ピーチのA320neoが採用したLEAP-1A=20年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 低圧タービンのブレードは、栃木県足利市のAeroEdge(エアロエッジ)が製造。同社は米GEとともにCFMに出資する仏サフランからLEAP-1A向け部品の量産サプライヤーに選ばれており、日本の中小企業が直接量産契約を勝ち取った。AeroEdgeの原材料輸入と完成品輸出、検品・在庫管理などは、仙台空港を運営する仙台国際空港会社が支援している。

 ピーチは2016年11月にA320neoを10機発注し、2018年7月にうち2機をA321LRに変更。2019年1月29日には、ピーチの親会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)がA320neoを18機発注すると発表した。その後の発注変更などを経て、現在の発注数はA320neoが28機、中距離国際線などに投入予定のA321LRが6機となっている。今回のA320neo就航で、機材数は32機となる。

*写真は28枚(増席部分→客室全景→LEAP-1A→外観の順)。
*初便の様子はこちら
*シートの詳報は24号機の写真特集をご覧ください。

関空でA320neoの増席部分を紹介するピーチの客室乗務員=20年10月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire


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