解説・コラム — 2024年2月1日 12:00 JST

【御礼】創刊12周年を迎えました

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 平素より航空経済紙Aviation Wireを御愛読いただき、誠にありがとうございます。2012年2月1日に創刊した弊紙は、おかげさまで本日創刊12周年を迎えることができました。今年の干支は辰(たつ)で、一回りしたことになります。これまで弊紙を支えてくださった皆様、取材にご協力いただいた方々に厚く御礼申し上げます。

世界基準の事故防止策を

 航空業界全体に大きな傷跡を残した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。私が影響を実感したのは、4年前の2020年2月に開かれたシンガポール航空ショーでした。すでに欧米企業は海外出張を大幅に削減しており、何も展示されていないブースに、最低限のスタッフだけ配置した企業が目立ったことが印象に残っています。

 日本では、昨年2023年5月8日から新型コロナが感染症法上は季節性インフルエンザ並みの「5類」へ移行したことで、旅客需要の回復が本格化し、航空各社も好決算を発表するようになりました。一方で、国際線が旺盛な訪日需要に支えられつつも、日本発の需要回復が遅れている点は、将来的な本邦航空会社の成長を考えると不安要素であり、各社がさまざまな需要喚起策を打ち出しています。

 日本がもはや「衰退国」という自覚もなく、脳天気に先進国だからどうにかなる、と考えている人は、航空業界にはさすがにいないと思われますが、これまでの慣習を打破しなければ立ちゆかなくなる、危機的な状況にあることは間違いないでしょう。

 これは1月2日に5人の犠牲者を出した羽田空港衝突事故を受けた対策も同様であり、現場の意見を十分取り入れ、国際的なスタンダードに沿った事故対策や再発防止策などが求められます。戦後長らく続いた既存の航空行政の考え方から、世界でいま求められる考え方に転換し、航空会社至上主義的な物事の捉え方を改めなければ、eVTOL(電動垂直離着陸機)などが実用化される将来に対応しきれなくなり、ジェネラルアビエーションによる地方や離島の支援などにも弊害が生じてくるのでは、と危惧しています。

あくまでも「航空経済紙」

 一方で、メディアを取り巻く状況も厳しいことに変わりなく、今後悪化することはあれど、好転することは期待できません。弊社ではAviation Wireの創刊前からこのように考えており、スクープや良質な記事を出し続ければ、いつかは報道機関として自立した経営ができる、というのはファンタジーとも言えるもので、まったく現実的ではないと考えて当紙を創刊しました。

 残念ながら10年以上前の予測は外れておらず、費用がかかる調査報道や特集ばかりに労力を費やしていくことは現実的ではありません。一方で、ネットで集めた情報に、刺激的なタイトルを付ける、いわゆる「コタツ記事」の量産は、弊紙の読者のみなさまが望んでいる内容とは思えません。どこかでお金を稼ぎ、読者の期待に応えられる永続的な企業になることが求められていると自覚しております。収益性と報道機関としての自立は難しい課題ですが、実現しなければ当社の存続は困難であると肝に銘じて、2024年の事業計画を進めて参ります。

 当紙は本邦初の「航空経済紙」であり、専門紙(誌)や業界紙(誌)とは違った立ち位置を目指しています。確かに航空を専門とするメディアではありますが、専門紙や業界紙は取り上げる内容に対して一定の知識を持つ方が主な対象です。

 一方、経済紙を謳っているのは、想定する主な読者の方が、記事で取り上げる内容に実務として関わられているものの、必ずしも専門知識を持っているとは限らない方も視野に入れてのことです。つまり、行政や金融機関で、ある日突然「航空分野を担当せよ」と異動された方に対しても、記事の内容をなるべく容易に理解していただけるものを目指しています。

 航空業界の良き理解者を増やしていく上で、また航空業界を志望される潜在的な人材を増やしていく上で、こうした工夫は不可欠であると考えております。依然として大変厳しい経営状況ではありますが、これまで以上に気を引き締めて取材に臨み、日本の航空業界発展の一助となるべく、編集部一同、精進して参ります。

 今後とも御愛読、御愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

2024年2月1日
Aviation Wire株式会社
代表取締役社長 兼 創刊編集長
吉川忠行

関連リンク
Aviation Wire、本社移転 24年1月1日付

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