エアライン, ボーイング, 機体, 空港, 解説・コラム — 2020年8月10日 11:31 JST

737クラシック日系最後の商業運航 写真特集・ANA 737-500スーパードルフィン退役(羽田編)

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)が6月まで運航していたボーイング737-500型機「スーパードルフィン」。1995年7月の就航から25機が地方路線を中心に投入され、運航機材が残り3機となった2019年12月には、イルカが描かれたエンジンカウルにデザインが1機ごとに異なる花束のデカールが添えられた。

羽田空港82番スポットに到着し商業運航を終えたANAの737-500。最終便は福岡発NH254便だった=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 最終便は6月14日の福岡発羽田行きNH254便で、機体は登録記号JA306K(99年5月受領)が使われた。運航終了後は、JA305K(98年10月受領)が7月23日、JA306Kが29日、最後まで残っていたJA307K(99年7月受領)が8月4日に羽田を離陸し、最終グループは3機とも上海の北に位置する中国東部・江蘇省の南通興東空港へ向かった。

 737-500は25年前の1995年7月21日に1路線目の福岡-鹿児島線に就航し、離島を含む地方路線に25機が投入された。「スーパードルフィン」の愛称は、当時のエアーニッポン(ANK/EL、現ANA)が社内公募を行い、機体がイルカに似ていることや、小回りが利いてスピード感があること、元気で親しみやすいことなどの理由で名付けられた。

 福岡空港を拠点に運航してた737-500の座席数は1クラス126席で、ANAウイングスが運航する737の中でもっとも小さい機体だった。カウルにイルカが大きく描かれたエンジンは、CFMインターナショナル製CFM56-3を採用。従来よりも大型化したため、正面から見ると空気を取り入れる「インテーク」下部が平たく見える「おにぎり型」なのが特徴だった。

羽田空港を離陸するANAの737-500 JA306K=20年7月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737-500は、全日本空輸(ANA/NH)がかつて運航していた737-200の流れをくむ機体で、737-300や-400と同じ「737クラシック」と呼ばれる第2世代の737。現在ANAやANAウイングスが運航している737-700や-800は第3世代の「737NG(次世代737)」、最新の737 MAXは第4世代にあたる。飛行高度が737-200の3万5000フィート(約10.6キロ)から3万7000フィート(約11.2キロ)と高くなることで、より揺れにくい高度を飛べるようになり、コックピットも地上援助施設を利用する方式が737-500ではデジタル化された。

 ANAウイングスの機長によると、ボーイングは当初1998年までで737-500の製造を終える計画だったが、エアーニッポンが最後に発注したことで1999年まで作られたという。最終便に投入したJA306Kは、最後に離日したJA307Kとともに、1999年にボーイングが引き渡した機体だった。

 本写真特集では、日本の航空会社による737クラシック最後の商業運航となったNH254便が羽田に到着した様子を取り上げる。

*最終便福岡出発時の写真特集はこちら
*JA306K離日の記事はこちら
*写真は25枚。

ANAウイングスの客室乗務員に見送られて福岡空港を出発する737-500最終便となった羽田行きNH254便=20年6月14日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットへ向かうANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットへ向かうANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットへ向かうANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットへ向かうANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットで横断幕を手にする社員に出迎えられるANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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羽田空港の82番スポットでスーパードルフィンのぬいぐるみや横断幕を手に737-500最終便となった福岡発NH254便を出迎えるANAウイングスの社員ら=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の82番スポットに到着したANAの737-500最終便となった福岡発NH254便=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港82番スポットでANAの737-500を撮影する最終便福岡発NH254便の乗客=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンカウルにドルフィンが描かれたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500 JA306K=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

おにぎり型のカウルを採用するANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

おにぎり型のカウルを採用するANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンカウルにドルフィンが描かれたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンカウルにドルフィンが描かれたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンカウルにドルフィンが描かれたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの737-500の前方左側に貼られたステッカー=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エンジンカウルにドルフィンが描かれたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500 JA306K=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港に到着し商業運航を終えたANAの737-500=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
ANAウイングス
Boeing
ボーイング・ジャパン

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外観編 イルカ描かれたエンジンカウル

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