エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2020年7月27日 11:26 JST

国交省も737点検指示へ FAAがエンジン故障の可能性指摘

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 しばらく運航していないボーイング737型機でエンジン故障が起きる可能性があるとして、FAA(米国連邦航空局)が航空会社などに対応を指示する「耐空性改善命令(AD)」を発行したことに対し、国土交通省航空局(JCAB)は7月27日、これに基づく「耐空性改善通報(TCD)」を近く発行する考えを明らかにした。737は日本の航空会社でも数多く運航しており、大手2社によると、すでに対象機材の点検などを進めているという。

ANAでは6月に全機が退役した737-500が対象=20年6月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737のエンジンのチェックバルブ(逆流防止弁)に腐食が生じ、エンジン故障が起きる恐れがあるとして、FAAは現地時間7月23日付でADを発行。対象は「737クラシック」と呼ばれる737-300、-400、-500と、「737NG(次世代737)」の737-600、-700、-700C、-800、-900、-900ERのうち、7日間以上連続して運航していない保管中の機体と、運航に復帰済みの場合はフライトサイクルが10サイクル以下の機体としている。

 航空会社では、新型コロナウイルスの影響で世界的に大量運休が生じており、737も運航から離脱して空港に駐機中の機体が数多くある。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)が737-700と-800、日本航空(JAL/JL、9201)とグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)、スカイマーク(SKY/BC)、ソラシドエア(SNJ/6J)、春秋航空日本(SJO/IJ)が737-800、エア・ドゥ(ADO/HD)が737-700を運航している。

 このうち大手2社で27日現在対象となる機体は、ANAでは全機が退役済みの737-500で、売却先へのフェリー(回航)を待つ残り2機のみ。JALでは9機の737-800が対象で、次回の運航までに対応を終えるという。

 FAAによると、2基あるエンジンのうち、1基がチェックバルブの不具合で停止するトラブルが最近4件発生しており、エンジンブリードエア5段目のチェックバルブの点検と、点検時に不合格だった場合は交換を義務づけた。

 ADは機体を設計した国の航空当局が機体の安全性を確保する改修案をまとめ、自国の航空会社など航空機使用者と関係国に対応を求めるもの。日本ではJCABがADに基づいてTCDを発行し、国内の航空会社などに航空法に基づいた対応を指示する。

関連リンク
国土交通省
Federal Aviation Administration
Boeing
ボーイング・ジャパン

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