エアライン, 官公庁 — 2019年11月14日 13:08 JST

FAA、マレーシア当局「カテゴリー2」に格下げ 米国へ新路線不可に

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 FAA(米国連邦航空局)はマレーシアの航空当局(CAAM)に対し、安全評価を「カテゴリー2」に格下げしたと現地時間11月11日に発表した。国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)の安全基準を満たしていないため。当局がカテゴリー2の評価を受けると、マレーシアの航空会社は自社の安全性に問題がなくても、米国への新路線開設などができなくなる。

マレーシアの航空当局に対するFAAの安全評価が格下げされてことで、同国の航空各社に影響も(資料写真)=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 マレーシアは2003年に、カテゴリー1の評価を取得。FAAは今年4月に再評価し、7月にCAAMと両者で結果を協議した。CAAMは11月11日に発表した声明で、規制当局の職務上で欠点があることを認め、「航空各社や空港などの評価ではない」と強調。今後1年以内に再評価するよう、FAAに求めている。

 FAAは国際航空安全評価(IASA)を実施。国や地域ごとに、ICAOの安全基準を満たす「カテゴリー1」と、満たさない「カテゴリー2」に区分している。当該国の航空当局の安全監督能力や、技術者の資格基準など、5つの項目で審査する。

 調査対象は86の国と地域で、このうち80の国と地域がカテゴリー1に指定されている。残り6つの国と地域がカテゴリー2で、マレーシアのほか、バングラデシュとコスタリカ、ガーナ、タイの5カ国と、オランダ領キュラソーの1地域を区分している。

 マレーシア国籍の航空会社による米国乗り入れは1路線のみで、エアアジアX(XAX/D7)がクアラルンプール-ホノルル線を関西経由で運航している。マレーシア航空(MAS/MH)は2014年4月までクアラルンプール-ロサンゼルス線を運航していたが、現在は運休している。

関連リンク
Federal Aviation Administration
ICAO
CIVIL AVIATION AUTHORITY OF MALAYSIA

マレーシア航空会社の米国路線
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マレーシア航空、成田経由のクアラルンプール-ロサンゼルス線運休 5月から(14年1月28日)

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