エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2019年4月5日 15:45 JST

エア・カナダ、10年ぶり関空就航へ 6月、バンクーバーから“本体”

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 エア・カナダ(ACA/AC)は現地時間6月1日から、関西空港への乗り入れを再開する。バンクーバー-関西線はこれまで観光路線を主体とする系列のエア・カナダ ルージュ(ROU/RV)が運航していたが、今年からはエア・カナダ“本体”が運航し、ビジネス需要の獲得を狙う。エア・カナダの関空就航は10年7カ月ぶりとなる。

—記事の概要—
ビジネス設定の787
ルージュで関空「やっていける」
バンクーバーで米入国審査も

ビジネス設定の787

10年ぶりに関空に就航するエア・カナダ=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 同路線は夏ダイヤのみの運航となる。6月1日から15日までは週4往復で、バンクーバー発は火曜と水曜、木曜、土曜に設定。17日から10月24日までは月曜発も運航し、週5往復となる。関空発はそれぞれ翌日となる。

 機材はボーイング787-8型機(3クラス255席:ビジネス20席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー214席)を投入し、ビジネスクラスの提供を開始する。レジャー路線に特化しているルージュは767-300ER(2クラス282席:プレミアム24席、エコノミー258席)で、ビジネスを設定していなかった。

 運航スケジュールは各日共通で、関西行きAC39便はバンクーバーを午後1時10分に出発し、翌日午後3時30分に到着。折り返しのバンクーバー行きAC40便は午後5時に関空を出発し、午前10時に着く。

 バンクーバー-関西線はエア・カナダ本体が運航していたが、2008年10月に運休。2015年5月からはエア・カナダ ルージュが運航し、6年7カ月ぶりに再開した。ルージュでの運航は夏ダイヤのみで、2018年まで乗り入れており、今年からは本体に切り替える。

ルージュで関空「やっていける」

18年夏まで関空に乗り入れていたエア・カナダ ルージュ=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 4月5日に関空近くの展望ホールスカイビューで会見した、エア・カナダのワイス貴代日本・韓国・南太平洋地区統括支社長は、ルージュ運航時の平均利用率が80%だったとした上で、「関西市場で『やっていける』というのを確認できた。(本体移行後は)85%を目標とし、ビジネスクラスをしっかり埋めることが重要」と述べた。

 ルージュは2013年7月1日に運航を開始したフルサービス航空会社で、これまではバンクーバーとモントリオール、トロントの3空港を拠点に観光路線を運航していた。現在はバンクーバーの拠点を廃止し、2空港から北米大陸や欧州、カリブ海などに乗り入れている。アジア太平洋路線は関空と中部(セントレア)のみで、バンクーバーから乗り入れていた。

 ワイス支社長によると、ルージュの太平洋路線は「トライアルとしての側面が強かった」という。2017年6月に就航したバンクーバー-中部線は、バンクーバーの拠点廃止に伴い今年からは運航せず、本体にも移行しない。中部圏は自動車産業などが盛んなことから「本体の方が市場としては合っている」(ワイス支社長)ものの、需要が追いつかなかった、と述べた。

バンクーバーで米入国審査も

バンクーバーの地理的優位性をアピールするエア・カナダのワイス支社長=19年4月5日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 関空から到着するバンクーバー国際空港について、ワイス支社長は「日本から地理的に近い。北米へのゲートウェイとして使ってもらいたい」と述べ、地理的な優位性をアピールした。

 また、米国への乗り継ぎ時の米入国審査もバンクーバーで可能となる。米国での入国審査は「ひどいときには2時間から3時間かかる」(ワイス支社長)かかるが、バンクーバーでは10分程度で終了することから「ストレスなく(米国へ)入国できる」とした。

 エア・カナダでは2018年9月から、日本から同社便でカナダ国内線に乗り継ぎ、カナダを最終目的地とする場合に、乗り継ぎ空港での手荷物受け取りが不要となった。ワイス支社長は「エア・カナダだけのサービス。他社でバンクーバーに入った場合はピックアップしなければならない」と述べ、自社サービスをピーアールした。

運航スケジュール(6月1日から10月25日まで)
AC39 バンクーバー(13:10)→関西(翌日15:30)運航日:火水木土(6月17日から月発追加)
AC40 関西(17:00)→バンクーバー(10:00)運航日:水木金日(6月18日から火発追加)

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