新千歳空港を12月に拠点化し、2019年4月に札幌-ソウル(仁川)線を開設するピーチ・アビエーション(APJ/MM)。同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のLCC、バニラエア(VNL/JW)との統合を進めており、同年10月27日からはピーチの運航に一本化するなど、2019年はANAグループのLCC再編の年になる。
統合に向け、今年11月からはピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)がバニラの社長を兼務。訪日需要が旺盛な中、東南アジアを中心に海外のLCCが日本へ攻勢を掛けてきており、迎え撃つピーチもバニラとの統合で体制を早期に強化し、本拠地の関西だけではなく、首都圏でも存在感も高めていく必要がある。
再編が進む中、バニラの路線では成田-函館線と那覇-石垣線、成田-香港線を順次廃止。一方、バニラ独自路線の象徴的存在でもあった成田-奄美大島線は8月31日に終了するものの、10月1日からはピーチ便として再就航する。2社の路線をゼロベースで見直し、永続的に運航できるネットワークに再編する一環だ。
ピーチとバニラの統合が本格化する2019年に向けて、井上CEOはどのようなプランを描いているのだろうか。前編では主に路線再編や成田の位置づけ、後編ではエアバスA321LRなど機材計画を中心に聞いた。
—記事の概要—
・「ボーナス山分けしよう!」
・奄美大島「ピーチとして就航」
「ボーナス山分けしよう!」
── 統合をどのように進めていきたいか。
井上CEO:ピーチとバニラで、どういうシナジーが得られるかだ。バニラの社員とは、「もうけてボーナスを山分けしよう!」と話しており、生産性を改善してもうかる仕組みに改めようとしている。
これまでのバニラは意思決定に無駄があった。ピーチなら4人の承認で済む決済が、5つも6つもハンコが必要なものがあった。バニラの社員たちもそう思っており、「これならもうかる」というものを推進していく。
もちろん、ピーチのやり方が全部正しいわけではない。いいとこ取りをしようということだ。
次の体制を見据え、2019年は準備の年。いきなりガーンと行くのではない。ピーチとバニラはA320を使用しているが、コックピットの仕様が異なる。一番重要なのは安全性なので、ピーチ仕様に改修していく。3月をめどに改修を始めるが、最大4機控除する。1機につき4カ月程度かかる。パイロットの移行訓練もあるので、2020年からいくぞ、という状況だ。
── 成田はどういう位置づけになるのか。
井上CEO:中期的に増便し、事業規模を
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