エアバス, エアライン, 機体 — 2018年4月12日 17:45 JST

ピーチ、レカロのリクライニング済み新シート 19年導入

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 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は4月12日、独レカロ製の新シートを導入すると発表した。あらかじめリクライニングした状態のシートで、2019年に受領するエアバスA320ceo(従来型A320)の24号機から導入する。

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ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートをハンブルクで紹介する選定に携わった客室乗務員の中村昭菜・客室乗務アシスタントマネージャー。ピーチが導入するシートはカラーリングが異なる=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートSL3510のイメージイラスト(ピーチ提供)

 ピーチが採用するシートは、レカロのSL3510。背もたれが15度倒れたで固定された「プレリクライニングデザイン」で、離着陸時もリクライニング状態と同様の姿勢で過ごせる。座席数は従来と同じ1クラス180席で、シートピッチは約29インチ(約74センチ)となる。

 シート選定にあたり、ピーチは主要顧客層と同じ20代から30代の女性社員を中心に、部門横断型プロジェクトチームを2017年4月に発足。利用者アンケートなどで調査したところ、短時間のフライトで前席の乗客が背もたれを倒すことで、目の前の空間が狭くなることを不満に感じる声が多かったことから、座り心地や耐久性、整備性などを考えて選定したという。

 独ハンブルクで開催されている「エアクラフト・インテリア・エキスポ2018」(Aircraft Interiors Expo 2018)で現地時間11日、Aviation Wireの取材に応じたレカロ・エアクラフト・シーティングのマーク・ヒラーCEO(最高経営責任者)は、「プレリクライニングに加えて、背もたれを薄くした」と、背もたれを倒した状態で固定した分、厚さなどを見直すことで、居住性を向上させたと説明した。

 レカロによると、スリム化により足もとのスペースも広くし、従来の同社製品と比べて居住空間が10%から15%広くなった。また、可動部分が減少することで耐久性や整備性が向上し、座り心地も背もたれを倒した状態に合わせて最適化しているという。

 ピーチは2012年3月1日に就航。現在はA320を20機運航しており、シートは今回のもので4代目となる。プレリクライニングシートの導入は、日本など北東アジアのLCCでは初めて。

ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートSL3510=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートSL3510=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートSL3510=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチが導入するレカロのプレリクライニングシートSL3510=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ピーチの新シート選定プロジェクトチームのメンバー(左3人)とレカロのヒラーCEO(右から3人目)ら=18年4月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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