エアライン — 2018年3月22日 10:15 JST

「名古屋からハワイ検討」特集・エアアジア トニー・フェルナンデスCEOに聞く

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 エアアジアのトニー・フェルナンデス・グループCEO(最高経営責任者)は3月21日、中部-ホノルル線開設を検討していることを明らかにした。米国西海岸への就航も視野に入れ、運休しているクアラルンプール-中部線の再開と合わせて準備を進める。

名古屋とハワイを結ぶ新路線に言及するエアアジアのトニー・フェルナンデス・グループCEO=18年3月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港への再就航初便の乗客を出迎えるエアアジアの客室乗務員=17年10月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 名古屋市内で、Aviation Wireの単独インタビューに応じたフェルナンデス氏は、中部空港(セントレア)から以遠権を行使する新路線の可能性について、「名古屋からハワイへの路線を近い将来検討したい。機体を入手できれば、米国西海岸にも就航したい」と語った。

 2015年2月から運休しているエアアジアX(XAX/D7)のクアラルンプール-中部線については、「年内に再開したい」と意欲を見せた。エアアジアXのように中距離路線のLCCについて、日本の航空会社からは採算性を疑問視する声も聞かれる。

 フェルナンデス氏は中距離LCCについて、「収益性があるものだ。日本は欧米へ10時間ちょっとと、どこへ飛ぶにも超長距離という訳ではない」と強調。「(日本からの中距離路線は)われわれの計画にも組み込まれており、エアバスA320やA330、ボーイング787を使った路線を申請したい。ワイドボディー機を操縦してもよいというパイロットを探している」と語った(787の関連記事はこちら)。

中部発札幌行き初便に乗務するエアアジア・ジャパンの客室乗務員=17年10月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、当初計画より約2年遅れとなる、2017年10月29日に就航したエアアジア・ジャパン(WAJ/DJ)の中部-札幌(新千歳)線については、「ロードファクターが平均80%で好調だ。もっともっと拡大したい」と述べた。

 新路線や増便の可能性については、「JCAB(国土交通省航空局)に聞いて欲しい(笑)。いらだちの一つは承認が遅いことだ」と、現状に言及。「福岡、沖縄、大阪など、日本には素晴らしい場所がたくさんあるが、中部がわれわれのハブ(拠点)だ。今はここにフォーカスしている」と語った。

 日本の航空運賃については、「もう少し下がっても良いのではないか。日本国内を飛ぶよりも、われわれの便でクアラルンプールへ飛んでしまったほうが安い場合もある。その原因は、大手2社のほぼ寡占状態にあることが理由ではないか。航空会社が増えて、競争が増えるべきではないか。個人的な意見だが、日本には純粋なLCCは、われわれ以外にはもうないのではないか」との見方を示した。

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