エアライン, 機体, 空港 — 2018年1月31日 21:55 JST

RAC、Q300最終便が那覇到着 アーク塗装で11年離島結ぶ

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 日本航空(JAL/JL、9201)グループで沖縄の離島路線を運航する琉球エアーコミューター(RAC)は1月31日、ボンバルディアQ300型機(DHC-8-Q300、登録番号JA8936)による定期便運航を終えた。那覇空港では最終定期便となった久米島発882便を、RACの伊礼恭社長や社員が横断幕を手に出迎えた。

那覇空港に到着したRACのQ300最終定期便となった久米島発882便=18年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 Q300は双発ターボプロップ(プロペラ)機で、RACは11年前の2007年1月23日に受領。那覇には8日後の1月31日に到着した。初便は、同年3月27日の那覇発久米島行き873便だった。

 座席数は1クラス50席で、RACにとって5機目のDHC-8となり、4機のQ100(DHC-8-Q100、1クラス39席)とともに沖縄の離島間を結んだ。塗装は現行の鶴丸ロゴに塗り替えられることはなく、就航当時の旧アーク塗装のまま退役を迎えた。Q100のアーク塗装はなく、Q300がRAC唯一のアーク塗装機だった。

 RACは2016年4月15日に、Q100とQ300の後継機となるQ400CC(カーゴコンビ、1クラス50席)を就航させた。Q400の機体後方にある貨物室を拡張した機体で、合わせて5機あるQ100とQ300を置き換える。2月1日から最終受領機となる5号機(JA85RC)が就航し、RACの機材はQ400CCに統一される。

 最終日の31日は、那覇-与論線1往復(815/816便)と、那覇-久米島線2往復(879/880便、881/882便)の2路線6便を飛んだ。ラストの久米島発那覇行き882便は、乗客47人と乗員3人(パイロット2人、客室乗務員1人)を乗せ、久米島を定刻より10分遅れの午後6時40分に出発し、那覇には8分遅れの午後7時13分に到着した。

 882便に乗務した上原弘充機長と本村令嗣副操縦士、客室乗務員の仲宗根千晶さんには、伊礼社長らから花束が贈られた。

 上原機長は、「Q100と比べてお客様を多く乗せられるので、融通が利く良い機体でした」と感想を話した。

 Q300は、国内の航空会社ではRACのほかにANAウイングス(AKX/EH)も5機運航していたが、2014年3月31日に全機退役。このほかに、国土交通省航空局(JCAB)が飛行検査機を1機(JA007G)運用しているが、民間機はRAC機の退役でゼロとなった。

 RACでは、2月1日に那覇発着の退役記念チャーターフライトを実施。近隣の離島上空を1時間30分程度遊覧飛行し、商業運航を終える。

*写真は16枚。

最終定期便の運航を終えたQ300の前で写真撮影に応じるRACの伊礼社長と社員ら=18年1月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire