エアライン, 機体 — 2017年11月22日 09:28 JST

ANA、国内線半数がWiFi対応 平子社長「無料化は検証中」

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 全日本空輸(ANA/NH)の平子裕志社長は11月21日、国内線のWi-Fi機器を使った機内インターネット接続サービスについて、現時点で運航機材の約半数に装着していることを明らかにした。競合の日本航空(JAL/JL、9201)が展開している無料サービスについては、検証段階であると説明した。

機内Wi-Fiサービスについて説明するANAの平子社長=17年11月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAは、Wi-Fiサービスを2014年3月から国際線、2016年1月から国内線で始めている。ANAによると、10月1日時点の国内線機材は133機で、このうち66機を無線LANによる機内ネット接続によるWi-Fiサービスに対応する改修を済ませたという。

 一方、JALは2012年7月から国際線、2014年7月から国内線でWi-Fiサービスを開始。国内線については、2016年4月から15分間無料のキャンペーンを開始し、今年2月からは無料化に踏み切った。当初は改修対象となる77機がそろったことを記念した期間限定キャンペーンだったが、順次期間を延長し、6月には9月以降も無料にすることを発表している。

 JALでは4月以降、決算発表の場で国内線が好調である要因のひとつに、Wi-Fiサービスの無料化を挙げており、顧客獲得に貢献しているとみられる。

 Wi-Fiサービスは、両社が異なるシステムを採用。ANAが米パナソニックアビオニクス製、JALが米gogo製のシステムを採用している。

 平子社長はAviation Wireの取材に対し、「衛星接続のため、通信容量に限界があり、通信用アンテナの大きさの制約もある。装着率は50%程度だ」と現状を説明した。

 「JALさんのように無料化してしまうと、機内から通信できなくなる可能性があるのではと考え、ハード面で耐えられるかを検証している。投資をしっかりして容量を拡大したら相応のサービスにすべきだが、現時点では開始時期やどういう方を対象にするかなどは、公表できる段階ではない」と語った。

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