ノックスクート、成田-バンコク就航へ タイ当局のSSC解除受け

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 ノックスクート・エアライン(NCT/XW)は、タイ・バンコクのドンムアン国際空港から日本や中国、インド、韓国への新路線を、2018年3月までに開設する計画を進めていく。国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)による、タイ航空局(CAAT)に対する「重大な安全上の懸念(SSC)」が、10月中に解除される見通しがたったため。

タイ航空局に対するICAOのSSC解除を受け成田への定期便開設を目指すノックスクート=15年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ICAOは2015年3月に、タイ当局に対してSSCを指摘。猶予期間を過ぎても十分な改善策が示されなかったことから、同年6月18日には問題点があることを示す「赤旗(Red flag)」をタイ当局に示した。航空会社が新路線の開設などを当局に申請した際、担当者が不十分な知識で審査をしており、ICAOが定める安全監査基準を満たしていないと判断した。

 この影響を受け、タイ国籍の航空会社は就航している定期便やチャーター便については運航を継続出来るものの、日本をはじめとするICAO加盟国への新規就航や、増便などのスケジュール変更、機材変更などが出来ない状況になった。

 ノックスクートもこの影響を受け、2015年3月末までに予定していたバンコク(ドンムアン)-成田線の定期便就航を延期。2016年3月からチャーター便を運航するなど、計画変更を迫られた。

 同様の事例では、ICAOは2009年にフィリピンの航空当局に対してSSCを指摘。2013年にSSC指定を解除している。

 ノックスクートはタイ国際航空(THA/TG)系LCCのノックエア(NOK/DD)と、シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(TGW/TR)が2014年に設立し、2015年5月に定期便の運航を開始。現在は中国の南京と青島、大連、天津、瀋陽、台湾の台北の計6都市へ就航している。現在保有しているボーイング777-200型機の座席数は、2クラス415席で、スクート・ビス24席、エコノミー391席となっている。

 タイ当局に対するSSC解除見込みを受け、ノックスクートは10月末までに4機目の777-200を導入予定。既存の中国路線である天津、青島、瀋陽への増便や、西安への就航を予定している。

 2018年1-3月期には777-200を1機以上導入し、成田とソウル(仁川)への定期便を開設する見通し。

関連リンク
NokScoot
ICAO
The Civil Aviation Authority of Thailand

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