官公庁, 空港 — 2016年10月26日 16:30 JST

ヒースロー空港、新滑走路整備へ

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 英政府は現地時間10月25日、ロンドン・ヒースロー空港の新滑走路整備を決めた。現在供用している2本の滑走路に続き、3本目を設けることになる。

新滑走路の整備が決定したヒースロー空港=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在、ヒースロー空港は3902メートルの北側と、3658メートルの南側の2本の滑走路で運用している。3本目となる新滑走路は、北西に整備する。滑走路が増えることで年間26万便を増加でき、2030年までに英国内線を6路線新設できるようになる。

 また、ヒースロー単体で7万5000人以上の雇用を生む。また、英国全体ではGDP(国内総生産)を年間200億ポンド(約2兆5377億5700万円)引き上げる。

 クリス・グレイリング英運輸相は、2本で運用するヒースロー空港と、1本で運用するロンドン・ガトウィック空港は、最も混雑した空港だとし、「行動(滑走路の増設)を起こさない限り、2040年までにロンドンの空港は満杯になる」と説明した。

 英空港委員会は2015年7月、ロンドン・ヒースロー空港の拡張を含む最終報告書を英政府に提出。ヒースロー空港の滑走路増設は戦略的・経済的な観点から必要だ、と結論付けた。

 ヒースロー空港の2015年の発着回数は47万2067回で、1日の平均は1293回。利用者数は約7500万人で、1日に平均20万5400人が利用した。

 新滑走路の増設を受け、英航空各社は声明を発表。ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)を傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)のウィリー・ウォルシュCEO(最高経営責任者)と英LCCイージージェット(EZY/U2)のキャロリン・マッコールCEOは、歓迎の意を表した。

 一方、アイルランドLCCライアンエア(RYR/FR)は、ヒースローのみの増設に反対の姿勢を示した。同社のマイケル・オレアリーCEOは、「ヒースローとガトウィック、スタンステッドのロンドン3空港に、滑走路を1本ずつ増設すべき」と述べ、「断片的な増設では、英国の観光産業やロンドンの各空港の競争力にダメージを与える」とした。

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GOV.UK
International Airlines Group
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