全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)が、羽田-岡山線で両社便が同じ時間帯に重複しないよう、10月25日開始の冬ダイヤで出発時刻を調整する方針であることが8月17日、わかった。国土交通省が今年5月に、一定の条件下で航空会社間のダイヤ調整を認める整理を示したことを受けた動きで、両社が国内線でダイヤ調整に乗り出すのは初めて。18日に正式発表する。

国内線需要減退で初のダイヤ重複調整を羽田-岡山線で実施するANAとJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
羽田-岡山線は現在、ANAとJALがそれぞれ1日5往復、計10往復運航。18日の羽田発では、ANAの午前7時50分発に対してJALは午前8時5分発、ANAの午前10時15分発に対してJALは午前10時20分発と、出発時刻が5-15分しか離れていない便がある。夜もJALの午後7時40分発とANAの午後8時発が20分差となっている。
ANAは、エアバスA320neo(2クラス146席)、A321(同194席)、ボーイング737-800型機(同166席)で運航。737-800は、グループのANAウイングス(AKX/EH)が運航している。JALは全便を737-800(2クラス165席)で運航しており、JL231便とJL239便をJAL本体が、JL233、JL237、JL241便をグループの日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が運航している。
冬ダイヤでは、こうした近接する時間帯の便をずらし、利用者が選べる時間帯を広げることで、新たな需要の掘り起こしにつなげる。両社は今後、便数の調整や共同運航なども検討するという。
国内線は、新型コロナ後にオンライン会議が普及したことで高単価の出張需要が減少する一方、燃油費や整備費、人件費、外貨建ての機材・部品調達費などが上昇している。国交省は国内航空ネットワークの維持に向け、航空会社間の競争を基本としつつ、路線の状況に応じた協調について検討を進めてきた。
国交省航空局(JCAB)の「国内航空のあり方に関する有識者会議」が5月29日にまとめた報告書では、複数社の便が同じ時間帯に集中する路線について、利用者の利便性向上や新たな需要の掘り起こしの観点から、過度に重複しないダイヤが望ましいとした。一定の要件を満たす航空会社間のダイヤ調整については、原則として独占禁止法上問題にならないとの整理を示した。
便数調整や運航会社の集約など、供給量そのものを航空会社間で調整する場合は扱いが異なる。供給量の調整は原則として独占禁止法上問題となるが、報告書は航空法に基づく適用除外の活用を選択肢に挙げた。将来の見通しを含めて赤字で事業継続が困難と見込まれる重要路線などに対象を限定し、個別路線で実施する場合は国交省の認可と公正取引委員会への協議が必要になる。
国内航空のあり方に関する有識者会議
・中堅4社への出資規制を正式廃止 国内航空のあり方報告書公表=国交省(26年6月1日)
・中堅航空4社への出資規制廃止 20%超で羽田発着枠回収=国交省有識者会議(26年5月22日)
・国内線維持へ曜日運航・協業容認 国の有識者会議が骨子案(26年4月14日)
・国交省、スカイマークなど中堅4社への出資規制廃止案 大手の関与拡大も(26年3月9日)
・国内線は「赤字体質」出張減とドル建てコスト増で航空各社苦境、国交省有識者会議が初会合(25年5月31日)
系列越え
・ANAとJAL、グラハン7資格を相互承認 地方10空港でマーシャリングや牽引など(24年5月14日)
・ANA/JAL系列越えコードシェア、九州でスタート 離島路線維持で(22年10月30日)
機材小型化
・ANAはなぜエンブラエルを選んだのか 完結編・どうなるスペースジェット跡目争い(25年2月26日)
・JAL、A321neo初導入 赤坂社長「人口減少は止めようがない」特集・767国内線後継をなぜ小型化するのか(24年3月21日)
