エミレーツ航空(UAE/EK)は、アラブ首長国連邦(UAE)国籍の女性パイロット2人を機長に昇格させた。同社初となるUAE国籍の女性機長で、2人ともボーイング777型機を運航する。いずれもエミレーツグループの自社養成制度「ナショナル・カデット・パイロット・プログラム(NCPP)」出身で、機長を示す4本線を受けた。

エミレーツ航空のバキータ・アル・ムヘイリ機長(同社提供)
機長に昇格したのは、ハナン・モハメド・ジャワドさんとバキータ・アル・ムヘイリさん。ジャワドさんは2008年、アル・ムヘイリさんは2011年に、パイロット訓練生としてエミレーツでのキャリアを始めた。2人は訓練や乗務経験を積み、777を運航する機長となった。
—記事の概要—
・4本線「始まりに過ぎない」
・全額支援の自社養成制度
4本線「始まりに過ぎない」
ジャワドさんは、これまでの総飛行時間が9253時間に達した。14歳の時にテレビでUAE初の女性パイロットを見たことがきっかけで、パイロットを目指すようになったという。機長昇格について「4本線を受け取ることは誇らしい節目だが、目的地ではない。これは始まりに過ぎない」とコメントした。

エミレーツ航空のハナン・モハメド・ジャワド機長(同社提供)
副操縦士としての経験が機長昇格への準備になったとし、長い時間をかけて機長への道が築かれると述べた。若い頃は絵を描いたり読書したりすることが好きだったが、現在はスキーやヨガ、エアリアルヨガ、ピラティス、リフォーマーなどにも取り組み、集中力や落ち着きを養っているという。
アル・ムヘイリさんは、成功したUAE国籍女性パイロットたちに影響を受け、フライトへの情熱を持ってキャリアを築いた。エミレーツの教官を務める機長や幹部から受けた指導について、技術やリーダーシップの向上だけでなく、責任感、規律、継続的に学ぶ姿勢を身につける上で大きな影響があったと説明した。
機長として、自身が受けた指導や価値観を次世代へ引き継ぎたいとしている。2人は次世代の女性パイロットを目指す人に向け、UAEの指導層が女性を国の将来を形作る重要なパートナーと位置付け、エミレーツが女性が活躍できる環境と機会を作っているとメッセージを寄せた。
全額支援の自社養成制度
NCPPは、エミレーツグループが1993年に始めたUAE国籍者向けの全額支援プログラム。これまでに多数のUAE国籍パイロットを輩出しており、修了者は機長や教官パイロット、エミレーツやUAE航空業界の幹部へ進んでいる。
訓練はエミレーツ・フライト・トレーニング・アカデミーで実施。基礎理論から飛行訓練まで、パイロットとして長期的に乗務するための各段階を支援し、世界水準の教育、先進技術、厳格な安全基準を組み合わせる。同社の新しいパイロット訓練センターでの訓練も含まれる。
エミレーツ航空で運航部門を統括するハッサン・アルハンマディ上級副社長は、NCPPについて、若い男女がエミレーツのパイロットを目指す道を提供し、将来のパイロット需要を支える重要な制度と位置づけている。ジャワドさんとアル・ムヘイリさんの機長昇格については「長年の献身、専門性、努力を反映した成果であり、UAE人材を入社段階から上位職まで育成できることを示すものだ」とした。
エミレーツグループは、体系的なキャリアパスや世界水準の訓練、継続的な能力開発を通じ、UAE国民人材の育成を進めている。NCPPのほか、リーダーシップ育成や大学卒業者向け制度などを通じ、若手から上級職までUAE国籍の人材を育てる戦略を掲げている。
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