日本航空(JAL/JL、9201)は4月22日、機内販売するクラフトウイスキーの試飲会をペニンシュラ東京24階「ザ・セブンシーズ・パシフィック・アビエーションラウンジ」で開催した。各蒸溜所の担当者が会場に立ち、丹精込めて送り出したウイスキーの特徴を説明した。

JALがペニンシュラ東京で開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・全国9蒸溜所のクラフトウイスキー
・ウイスキーで地域送客
全国9蒸溜所のクラフトウイスキー
今回用意したのは、北海道から鹿児島まで9つの蒸留所が手掛けるウイスキー。遊佐、厚岸、嘉之助、SAKURAO、安積、井川、久住、秩父、マルス津貫・マルス駒ヶ岳の各蒸留所が製造するシングルカスクを中心とした限定品となる。1銘柄あたり400本から500本程度、価格は2万円台から4万円台を想定しており、1カ月から2カ月程度ずつ扱い、順次入れ替える。販路は国際線の機内販売が中心で、一部は国内線でも展開する。

JALが開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
試飲会に並んだ銘柄は、蒸溜所ごとの個性が前面に出た。山形の遊佐蒸溜所は、希少なミズナラ樽を使ったシングルカスクで、クリーンでスイート、ココナッツのような香りが特徴。福島の安積蒸溜所は、バーボン樽で熟成後に高級赤ワイン樽で追加熟成し、ドライフルーツのようにフルーティーでエレガントな味わいを打ち出した。鹿児島と長野のマルス津貫・駒ヶ岳蒸溜所は、梅酒樽フィニッシュで、青梅やストーンフルーツを思わせる香りを訴求した。
広島のSAKURAO DISTILLERYは瀬戸内海の潮の香りやバナナ香、埼玉の秩父蒸溜所は時間や温度で味が変わるブレンデッドウイスキー、鹿児島の嘉之助蒸溜所は焼酎造りで培った技術を生かした多彩な樽使いを紹介した。北海道の厚岸蒸溜所、大分・久住高原の久住蒸溜所、静岡・南アルプスの井川蒸溜所も含め、全国各地の蒸溜所がそろい、会場では地域ごとの酒質の違いを比べながら味わえるラインナップとなった。

JALが開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALが開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ウイスキーで地域送客
JALにとってクラフトウイスキーは、非航空領域を広げる取り組みの一つ。現在の中東情勢のように、航空事業は10年以内に何らかのイベントリスクに直面する可能性が高く、航空事業以外の収益源の確保が急務だ。

JALマイレージ・ライフスタイル事業本部長を務める西田真吾執行役員=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ライフ・コマース事業部の中村健太郎部長=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
4月から非航空系事業の中核となるマイレージ・ライフスタイル事業本部長を務める西田真吾執行役員は、3月までJALが100%出資する中長距離LCC、ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の初代社長を務めた。西田氏は「非航空領域が成長したね、と言っていただけるように頑張っていきたい」と抱負を語った。移動そのものにとどまらず、日本各地の良いものや良い酒との出会いを通じて、航空以外の接点も広げつつ、日本人やインバウンドの国内線利用増につなげる。
JALはクラフトウイスキーの取り組みを、2023年から進めてきた。ライフ・コマース事業部の中村健太郎部長によると、ウイスキーに注目した理由は、酒そのものの魅力が大きいことに加え、機内に載せて世界中を飛びながら販売する機内販売の特性上、ワインや日本酒に比べて温度管理の制約を受けにくいためだ。
日本酒やワインは機内サービスで提供している一方、販売という観点では管理が難しい面がある。このため、まずはウイスキーを主軸に据え、国内線のオンライン販売では日本酒も扱いながら、商材の幅を広げている。

JALが開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALが開いた9つの蒸留所のクラフトウイスキーの試飲会=26年4月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
扱う9つの蒸留所のうち、新規参加は久住蒸溜所と井川蒸溜所。「9」という数字に意味はなく、グループの商社JALUX(ジャルックス)が付き合いのある蒸溜所を軸に選んだ結果だという。商品は1カ月から2カ月程度の扱いで、順次入れ替える。
西田氏は「9つの蒸溜所で工夫をしてみたり、チャレンジをしてみたりと、毎年違うものをお客様に提供できる」と述べ、蒸溜所や地域への送客につながる流れも育てていくという。
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