エアライン, 空港 — 2026年4月22日 11:55 JST

JALと羽田空港、世界初の“顔パス”乗継ぎ実証 スマホ連携で非接触化

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 日本航空(JAL/JL、9201)と、羽田空港の国際線が発着する第3ターミナル(T3)などを運営する東京国際空港ターミナル(TIAT)の2社は4月22日、顔認証による航空便の搭乗・乗り継ぎに世界で初めて成功したと発表した。スマートフォンに自宅などで事前連携した情報を活用した概念実証(PoC)で、実用化された場合、“顔パス”(ウォークスルー)での保安検査や出入国審査、搭乗、乗り継ぎなど、非接触化が期待できるという。

JALとTIATが検証した“顔パス”乗継ぎ(JAL提供)

 今回の概念実証は、世界の航空会社などが加盟するIATA(国際航空運送協会)が主催し、新技術や航空業界が直面する課題などを議論するプログラム「Data & Technology Proof of Concepts」に共同参画したことによるもの。スマートフォンアプリで航空券の予約時に、顔情報と搭乗券やパスポートなどのデジタル証明書(VC)を事前連携する。VCはスマホの「モバイルウォレット」にあり、これらの情報(デジタルアイデンティティ)を空港のシステムと連携させ、空港では顔認証のみで搭乗や乗り継ぎに対応する。一連の流れを複数のユースケースに分けて検証し、デジタルアイデンティティ技術の標準化へ実現性や課題を確認した。

JALとTIATが検証した“顔パス”乗継ぎのフロー(両社の資料から)

 検証は香港で乗り継ぐ羽田-ロンドン(ヒースロー)間で進め、羽田発はJALの香港行きJL29便、香港発はブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)のロンドン行きBA32便で検証。日本と米国、英国のパスポート情報をそれぞれの搭乗券と連携させ、検証を進めた。モバイルウォレットは、日本のパスポートが顔認証技術を用いた搭乗手続き「Face Express(フェイスエクスプレス)」のデモ用アプリを、米英は既存の「Google wallet」を活用した。

 実証では、3種類のモバイルウォレットを用いた本人認証と、相互運用性を検証。乗り継ぎ用のセキュリティゲートと搭乗ゲートの空港設備で、2つの顔写真が同一かを判定する「1対1認証」と、登録済みの複数の顔写真から特定の個人を認証する「1対N(多数)認証」の2種類の生体認証方式への対応も検証した。このほか、羽田の「Face Express」と香港空港の生体認証「Flight Token」を活用し、現行システムとの連携が可能かも確認した。

 JALとTIATによると、今回の検証では予約から搭乗までの手続きが大幅に簡素化され、ヒューマンエラーの減少も確認できたという。両社は今回の成果を、今後の技術標準化へつなげたいと考えだ。

JALとTIATが検証した“顔パス”乗継ぎ(JAL提供)

JALとTIATが検証した“顔パス”乗継ぎ(JAL提供)

関連リンク
日本航空
東京国際空港ターミナル
羽田空港
Data & Technology Proof of Concepts(IATA)

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