ボーイング, 企業, 機体 — 2014年10月29日 10:20 JST

横浜ゴム、航空機構造用プリプレグが未来技術遺産 ボーイング機に採用

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 横浜ゴム(5101)の航空機構造用プリプレグがこのほど、独立行政法人国立科学博物館が認定する2014年度の「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録された。

横浜ゴムのプリプレグが採用されている777の最終組立ライン=14年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 プリプレグはガラス繊維や炭素繊維に樹脂を含浸させたシート。これを重ね合わせて所定の形状にし、加熱硬化してFRP(繊維強化プラスチック)を作る。

 FRPは軽量で高強度なことから、航空機を軽量化するための重要技術として1960年代から需要が伸びている。未来技術遺産の審査では、横浜ゴムが1978年に開発したプリプレグが、ボーイングの厳しい品質管理の要求をクリアし、国産材料として初めて航空機の構造用材料として認定されたことが評価された。同製品の生産拠点である神奈川県平塚市の平塚製造所に現存する、認定当時のプリプレグサンプルが登録遺産になった。

 同社のプリプレグは、ボーイングへ機体部品を納入する日本の機体メーカーでFRP部品化された後、ボーイングへ引き渡される。777型機のフェアリングや737のランディングギヤ用ドア、747のフラップ、757のリーディングエッジなどの構造用材料として採用実績がある。

未来技術遺産の記念楯(左)と登録証(横浜ゴムの資料から)

 未来技術遺産は、国立科学博物館が「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図るため、2008年度にスタート。2014年度は49件が登録され、これまでに合計184件が登録されている。登録証と記念楯授与式は、9月に国立科学博物館で行われた。

 横浜ゴムではプリプレグのほか、737-800など737NG(次世代737)のラバトリー(化粧室)や747-8の旅客型「インターコンチネンタル」の機内⽤階段などの航空機部品を手掛けている。

関連リンク
横浜ゴム
重要科学技術史資料(国立科学博物館)

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