エアライン, 官公庁, 空港 — 2020年2月3日 21:00 JST

羽田空港新ルート、都心を61機通過し着陸 旅客便で飛行確認始まる

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 夏ダイヤ初日の3月29日から運用を開始する羽田空港の新飛行経路について、国土交通省航空局(JCAB)は2月2日、航空会社の定期便が都心上空を実際に飛ぶ「飛行確認」を初めて実施した。

*2月12日に飛行確認終了。記事はこちら

旅客便による飛行確認が始まった羽田空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 都心上空を通過して着陸するのは、羽田に4本ある滑走路のうちA滑走路(RWY16R)とC滑走路(RWY16L)。JCABによると、2日は午後4時19分から午後5時57分まで飛行確認を実施し、A滑走路に18機(便)、C滑走路に43機が着陸したという。

 飛行確認は航空会社による指定はなく、時間内に着陸する便は新ルートを管制官から指示されて飛行した。

 航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」(flightradar24.com)によると、A滑走路には全日本空輸(ANA/NH)の中標津発NH378便や日本航空(JAL/JL、9201)の札幌(新千歳)発JL514便など北日本を中心とした便が着陸。C滑走路は高知発NH568便や福岡発JL318便など西日本方面の便が着陸していた。

 国際線では、JALのニューヨーク発JL5便やANAのホノルル発NH185便などがA滑走路へ、ANAの台北(松山)発NH852便やJALのバンコク発JL32便などがC滑走路へ着陸していた。

 羽田の新ルートは、3月29日に始まる夏ダイヤから運用開始。これにより国際線の発着回数が3万9000回増え、現在の年間6万回から9万9000回に拡大する。実機飛行確認は1月30日から3月11日の期間内に実施するもので、旅客便を使って管制官が新ルートの運用手順などを確認するほか、騒音測定を実施する。

 滑走路運用は北風と南風の際の2種類あることから、北風運用時の試験飛行は1月30日から2月12日までの期間のうち7日間程度で、出発用の新飛行経路の確認を午前7時から午前11時の間と、午後3時から午後7時までの間に実施。1時間あたり22回程度で、午後は経路の切替時間帯を含むため、時間内のうち3時間程度の運用を見込む。

 着陸機が新宿や渋谷など都心上空を通過する南風運用時は2月1日から3月11日までが期間となり、新飛行経路の到着と出発をそれぞれ午後3時から午後7時までの間に実施。到着はA滑走路が1時間当たり14回程度、C滑走路が同30回程度を想定しており、出発は1時間あたり20回以内を計画している。

 また、南風時の新飛行経路の運用では、航空機が安全に飛行できるよう、羽田空港到着機と小型航空機、回転翼機の飛行する空域を分離する。

 飛行確認時の騒音測定結果は東京航空局(TCAB)のウェブサイト内のページ「騒音対策について」で、新ルート運用開始後の測定結果は3月29日に新設するウェブサイトで公表する。

関連リンク
羽田空港(東京国際空港)飛行コースホームページ(国交省)
新飛行経路運用開始後の測定結果の公表(20年3月29日から公開予定)
騒音対策について(PDF、国交省東京航空局)
「羽田空港のこれから~飛行経路の見直しによる羽田空港の国際線増便について~」(PDF、国交省)

新飛行経路
羽田新ルート、旅客便使った試験飛行時に騒音測定 測定局18カ所で(20年1月17日)
羽田空港新ルート、旅客便試験飛行1月30日から 北風・南風運用で(19年11月16日)
羽田新経路、飛行検査で安全性検証 12月まで(19年8月26日)
羽田空港、20年夏ダイヤから新経路 国際線、年3.9万回増便へ(19年8月8日)

20年3月の国際線増枠
ANA、羽田国際線の出発ターミナル決定 第2が6割、第3も継続(20年1月24日)
ANAの羽田国際線、夏休みまでに全14路線 増枠分の日程出そろう 20年度計画(20年1月23日)
「本当にパイロット問題だけなのか」羽田・成田が疑問抱く”ANAが飛べない理由”(19年12月10日)
JAL、羽田発着枠増枠でホノルル2便 20年3月国際線強化、全国からハワイへ(19年11月19日)
JAL、成田国際線を20年度3-5路線拡充 ZIPAIRも活用(19年11月20日)
ANAの羽田国際線、12新路線 成田の米国5路線運休・減便へ 20年夏(19年11月19日)
羽田国際線、中国は4社1枠ずつ 北京大興から新路線 20年夏(19年11月21日)
羽田の豪州路線、2社に1枠ずつ配分へ カンタス航空と豪ヴァージン、20年夏ダイヤ(19年10月23日)
羽田国際線、ANA13.5枠で決定 JALは11.5枠、昼間帯新規7地域(19年9月2日)
デルタ航空、成田撤退 羽田に20年3月集約、ソウル-マニラ開設へ(19年8月12日)
羽田米国枠、デルタ航空が最多 米運輸省、12枠暫定割り当て 20年夏(19年5月17日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post