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羽田空港新ルート、都心を61機通過し着陸 旅客便で飛行確認始まる

 夏ダイヤ初日の3月29日から運用を開始する羽田空港の新飛行経路について、国土交通省航空局(JCAB)は2月2日、航空会社の定期便が都心上空を実際に飛ぶ「飛行確認」を初めて実施した。

*2月12日に飛行確認終了。記事はこちら [1]

旅客便による飛行確認が始まった羽田空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 都心上空を通過して着陸するのは、羽田に4本ある滑走路のうちA滑走路(RWY16R)とC滑走路(RWY16L)。JCABによると、2日は午後4時19分から午後5時57分まで飛行確認を実施し、A滑走路に18機(便)、C滑走路に43機が着陸したという。

 飛行確認は航空会社による指定はなく、時間内に着陸する便は新ルートを管制官から指示されて飛行した。

 航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」(flightradar24.com)によると、A滑走路には全日本空輸(ANA/NH)の中標津発NH378便や日本航空(JAL/JL、9201)の札幌(新千歳)発JL514便など北日本を中心とした便が着陸。C滑走路は高知発NH568便や福岡発JL318便など西日本方面の便が着陸していた。

 国際線では、JALのニューヨーク発JL5便やANAのホノルル発NH185便などがA滑走路へ、ANAの台北(松山)発NH852便やJALのバンコク発JL32便などがC滑走路へ着陸していた。

 羽田の新ルートは、3月29日に始まる夏ダイヤから運用開始。これにより国際線の発着回数が3万9000回増え、現在の年間6万回から9万9000回に拡大する。実機飛行確認は1月30日から3月11日の期間内に実施するもので、旅客便を使って管制官が新ルートの運用手順などを確認するほか、騒音測定を実施する。

 滑走路運用は北風と南風の際の2種類あることから、北風運用時の試験飛行は1月30日から2月12日までの期間のうち7日間程度で、出発用の新飛行経路の確認を午前7時から午前11時の間と、午後3時から午後7時までの間に実施。1時間あたり22回程度で、午後は経路の切替時間帯を含むため、時間内のうち3時間程度の運用を見込む。

 着陸機が新宿や渋谷など都心上空を通過する南風運用時は2月1日から3月11日までが期間となり、新飛行経路の到着と出発をそれぞれ午後3時から午後7時までの間に実施。到着はA滑走路が1時間当たり14回程度、C滑走路が同30回程度を想定しており、出発は1時間あたり20回以内を計画している。

 また、南風時の新飛行経路の運用では、航空機が安全に飛行できるよう、羽田空港到着機と小型航空機、回転翼機の飛行する空域を分離する。

 飛行確認時の騒音測定結果は東京航空局(TCAB)のウェブサイト内のページ「騒音対策について」で、新ルート運用開始後の測定結果は3月29日に新設するウェブサイトで公表する。

関連リンク
羽田空港(東京国際空港)飛行コースホームページ [2](国交省)
新飛行経路運用開始後の測定結果の公表 [3](20年3月29日から公開予定)
騒音対策について [4](PDF、国交省東京航空局)
「羽田空港のこれから~飛行経路の見直しによる羽田空港の国際線増便について~」 [5](PDF、国交省)

新飛行経路
羽田新ルート、旅客便使った試験飛行時に騒音測定 測定局18カ所で [6](20年1月17日)
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