エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2016年2月16日 19:35 JST

旧体制「飛ばす実力持っていなかった」特集・井手会長が描く新エアアジア・ジャパン(前編)

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 ハワイ就航やエアバスA330型機導入、さらには米国西海岸就航──。エアアジア・ジャパン(DJ)の井手隆司会長が、再始動に向けて事業計画をぶち上げた。2020年には単通路機のエアバスA320型機(1クラス180席)が14機、A330(エアアジアXが運航するA330-300は377席:ビジネス12席、エコノミー365席)を6機の計20機体制で、1日40往復の運航を目指す。

 2月15日、中部空港(セントレア)の第2滑走路実現に向けて活動する地元自治体と経済団体で構成する「中部国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟会」が開いた講演会で、井手会長は「空港と地域の機能強化に向けて 就航エアラインが地域に望むこと」と題し、エアアジア・ジャパンの事業計画などを説明しつつ、地元への要望を述べた。

 資本金は2月中に30億円増資することで、当初計画の70億円となる。就航は今年4月の予定を夏に延期し、7月の夏休み前から8月の運航開始を目指す。機材はA320の初号機(登録番号JA01DJ)が2015年10月16日に到着し、2号機は2月中にも中部へ着く予定だったが、最長で4月まで引き延ばしを図る。

 訪日(インバウンド)需要の取り込みで事業基盤を構築し、日本人にとってなじみのあるハワイへ就航することで、日本からの渡航(アウトバウンド)需要取り込みも狙うエアアジア・ジャパン。15日の講演で出た話題を振り返る(全2回)。

—記事の概要—
通行料高い、無料循環バスない
エアアジアの知名度「20%満たない」
日本の航空会社を作るというより日本支社

 前編は愛知県や中部国際空港会社への要望、エアアジアの知名度、就航までの具体的な計画を取り上げる。

*後編はこちら

通行料高い、無料循環バスない

 「700円の(連絡橋往復)通行料が高い、空港内に無料巡回バスがない、夜11時半になるとターミナルが閉まり、出張者が寒い外の道を歩かなければならないなど、個人的な意見ではあるが多数出てきた」。

名古屋市内で講演するエアアジア・ジャパンの井手会長=16年2月15日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 講演にあたり、井手会長が社内で愛知県や中部国際空港会社への要望を尋ねてまわったところ、こんな意見が出てきたという。「ただし、これは事業者として、空港で働く者の意見として聞いていただきたい」と井手会長は続け、中部空港で働く側の問題点を挙げた。

 一方で、国内外の空港と中部空港を比較した結果、「利用客の動線が考えられている。勾配を使って荷物も運びやすい」と評価。「地方空港は整備が遅れている。中部のターミナルビルの設計は参考になる」と持ち上げた。

 今回の講演会が開かれる目的となったのは第2滑走路。しかし、井手会長が気に掛けるのは、まずはLCCターミナルだった。

 会場に集まった県や空港の関係者に対し、LCCターミナルの必要性をこう説明した。

 「利点はひとつだけ。サービスに特化せず、乗客が


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