官公庁, 機体 — 2015年7月30日 13:30 JST

UH-X、ベル412EPI発展型に ガリソンCEOに聞く

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 陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター「UH-X」について、米ベルヘリコプター・テキストロンのジョン・ガリソンCEO(最高経営責任者)は7月30日、中型双発ヘリ「ベル412EPI」の発展型になることを明らかにした。

ベル412EPI(同社提供)

 UH-Xは、陸自が現在運用する単発多用途ヘリ「UH-1J」の後継機。富士重工業(7270)とベルが共同開発する民間用双発ヘリを陸自向けに改修することで、開発コストを抑える。

 機体単価は約12億円で、2021年度末以降、20年間で150機を納入する計画。人員物資の輸送のほか、救難活動や災害派遣などにも使用する。防衛省は7月17日に、富士重工とベルを開発事業者に選定したと発表した。

 都内でAviation Wireの単独インタビューに応じたガリソンCEOは、「412EPIの発展型として、富士重工と開発する。細かいことは言えないが、性能を強化する」と語った。

 ガリソンCEOは、富士重工や約1000社の国内サプライヤーが、製造段階だけではなく整備やサポートにも参画することで、UH-Xのライフサイクルコスト低減につながると期待感を示した。

 412EPIは2013年3月に初導入されたモデルで、412シリーズの最新型。412EPを発展させた機体で、完全統合型グラスコックピットを採用しており、重要な飛行情報を一目で把握できる。ベルによると、システムは計器飛行方式(IFR)、カテゴリーAおよびJAROPS3に準拠した運航に最適化されているという。

 コックピットには、高解像度デジタル地図や航海用電子地図、アプローチ プレート、ADS-Bトランスポンダー、オプションとしてHTAWSおよびXM衛生リンクの搭載が可能。エンジンはプラット&ホイットニー製PT6T-9を採用し、標準型の412と比べて軸馬力を15%向上させている。

 412シリーズ全体の納入先としては、国内では海上保安庁や警察、消防、自治体、リース会社などがあり、これまでに80機以上が引き渡された。412EPIは、今年5月に青森県から初めて受注。2016年初旬に引き渡される予定で、防災用ヘリとして運用する。

*インタビュー本編は後日掲載します。

関連リンク
防衛省
陸上自衛隊
富士重工業
Bell Helicopter

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