官公庁, 空港 — 2014年12月12日 07:34 JST

福岡空港の第2滑走路、早期着工へ 国交省小委員会

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 国土交通省航空局(JCAB)は12月11日、交通政策審議会航空分科会の第2回事業評価小委委員会(委員長・家田仁東京大学政策研究大学院大学教授)を開き、福岡空港の第2滑走路の設置について協議した。出席した委員すべてが「採択すべき」との結論を出した。

国交省の小委員会に出席する委員=12月11日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 現在、福岡空港では2800メートルの滑走路1本を運用している。駐機場から滑走路へ続く平行誘導路も1本のみで、ピーク時間帯を中心に、誘導路の混雑による遅延が常態化している。2013年9月の実態調査によると、1機あたりの待機時間は約4分で、最大で28分待機したケースもあったという。発着回数は2013年度の実績で、国内線15万2000回、国際線2万2000回の計17万4000回。

 国では2012年度より平行誘導路の二重化に着手している。

 今回協議したのは2500メートルの滑走路を増設するというもの。案によると、現在の滑走路の西210メートルの場所に設置する。空港の拡張面積は20ヘクタール。用地買収や埋蔵文化財の調査期間などを含み約10年、概算事業費は約1600億円を見込んでいる。増設により、発着回数は年間18万3000回に増えるとみられる。

 福岡空港は騒防法に基づき、空港に近い場所から第3種から第1種までの区域を指定。移転補償や緩衝緑地の整備、住宅防音工事などの対策を実施している。

 参加した委員は、敷地の拡張で増えることが懸念される対象地区での騒音対策について質問。JCABの担当者は第1種と第3種区域を1982年、第2種区域を1979年に指定した背景に触れた上で、「当時の航空機はとてもうるさかった。現在はかなり静かになっている。部分的には増えるところがあると思う。その点は地元にきちんと説明する」と説明した。

 調査は2015年に終了する予定。そこから供用までは約10年かかると試算、供用開始は2024年を予定している。これについてJCABの担当者は、前後の1年は工事前の調査や手続き期間に充てていると説明。実質の工事期間は8年間とした。

 これを受けて家田委員長は「(現状で)混んでいる。(地元が)困っている。将来も困る。急いでいる。一刻も早くできあがるように最大の努力をするのは、事業実施者の責務。8年の工事期間を7年11カ月に短縮してもらいたい。1日でも短くできるように、最大の努力をしてもらいたい」と注文を出した。

 参加した別の委員からは、これからアジアからの需要が増える。福岡は拠点となる都市だが、福岡空港だけでなく、周辺の北九州空港や佐賀空港を含めた「オール九州体制」で臨んでほしい、との意見が出た。

 最後に田村明比古航空局長は「できるだけ早く着手し、地元の協力を全面的に得て、一刻も早く供用できるようにする」とした。

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