官公庁, 機体 — 2014年8月22日 14:38 JST

JAXA、低ソニックブーム試験延長 実験場気象条件で

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 JAXA(宇宙航空研究開発機構)は8月22日、静粛性の高い超音速機の技術開発「D-SENDプロジェクト」第2フェーズの試験期間を延長すると発表した。スウェーデンにある試験場の気象条件が期間中に整わないためで、22日までだったものを26日まで延長する。

エスレンジ実験場の施設設備(JAXA提供)

 実験はスウェーデン北部、キルナ近郊のエスレンジ実験場で実施。試験期間は7月22日から8月22日までとしていた。

 「低ソニックブーム設計概念実証」を意味するD-SENDプロジェクトは、航空機が超音速飛行時に生じる「ドン、ドーン」と打ち上げ花火のような音を伴う衝撃波「ソニックブーム」を低減する研究。マッハ2で飛行できる英仏共同開発のコンコルド(1969年初飛行)も、人が住むところでは超音速で飛行できず、実力を生かせるのは大西洋上に限られた。早めに減速してソニックブームを防ぐことが燃費悪化につながり、コンコルドは2003年に全機退役している。

 スウェーデンでは超音速機の模型の落下試験を行い、データを収集する。JAXAが想定している次世代超音速機は36人から50人乗りの全席ビジネスクラスで、巡航速度マッハ1.6。アジアの日帰り圏化を目標に据えている。

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D-SENDプロジェクト第2フェーズ試験サイト(JAXA航空本部)

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