日本航空(JAL/JL、9201)が8月3日に発表した2026年4-6月期(27年3月期第1四半期)連結決算(IFRS)は、純利益が前年同期比80.2%減の53億5300万円だった。売上収益は11.2%増の5237億3700万円で、4-6月期として過去最高を更新した一方、事業活動による利益を示すEBIT(財務・法人所得税前利益)は、燃油費の高騰などで72.1%減の127億円となった。
通期連結業績予想は据え置き、純利益は前期(26年3月期)比20.1%減の1100億円を見込む。

26年4-6月期の純利益が80.2%減となったJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・26年4-6月期
・FSC
・LCC・非航空
・財務・為替・配当
・27年3月期予想
26年4-6月期
4-6月期の売上収益は11.2%増の5237億3700万円、EBITは72.1%減の127億300万円と、増収減益となった。燃油・為替市況が501億円の減益要因となった一方、市況以外では国際旅客や国内旅客、貨物郵便の増収が寄与し、費用増などを差し引いて173億円の増益要因となった。

26年4-6月期決算を発表するJALの斎藤祐二副社長=26年8月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
営業費用は18.7%増の5168億円で、EBITマージンは7.2ポイント低下し2.4%。費用のうち燃油費は58.4%増の1488億円、整備費は0.2%減の415億円、人件費は6.4%増の1007億円となった。
燃油市況の高騰と円安で燃油費が増加したものの、国際旅客や国際貨物の旺盛な需要を取り込んだ価格調整や、国内旅客の単価向上などで増収となった。
FSC
JALを中核とするFSC(フルサービス航空会社)事業は、売上収益が13.8%増の4202億円だった。国際旅客と国内旅客の単価向上や貨物機ネットワークの拡充が寄与したものの、燃油市況高騰の影響でEBITは8億円の赤字となった。
国際旅客収入は14.4%増の2116億円。有償旅客数は0.4%減の194万7000人、ロードファクター(座席利用率)は1.2ポイント低下し84.9%となった。旅客収入を有償旅客数で割った単価は14.9%増の10万8673円、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)で割ったイールドは16.9%増の19.6円、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)で割ったユニットレベニューは15.3%増の16.6円だった。
好調なインバウンド(訪日)需要と日本発ビジネス需要が続いたほか、中東における外国航空会社の運休による需給のひっ迫を取り込んだ。運賃値上げや燃油サーチャージの改定などで、単価が大幅に上昇した。
国内旅客収入は3.6%増の1390億円。有償旅客数は2.7%減の883万2000人、搭乗率は0.2ポイント低下し79.3%だった。単価は6.5%増の1万5741円、イールドは6.0%増の20.7円、ユニットレベニューは5.8%増の16.4円となった。
国内旅客は、運賃値上げやタイムセールの適正化など、単価を重視したレベニューマネジメントで、旅客数の減少を補い増収となった。
貨物事業の収入は、国際が56.4%増の526億円、国内が6.5%増の77億円となった。国際貨物は、アジア-北米間の旺盛な需要を取り込み、貨物機ネットワークの拡充や燃油サーチャージの改定による単価上昇が寄与した。
LCC・非航空
ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)を中核とするLCC(低コスト航空会社)事業は、売上収益が6.7%増の324億円だった。燃油市況高騰の影響で、EBITは1億円の赤字となった。
中長距離LCCのZIPAIRは、旅客収入が6.5%増の223億円。米スペースXの衛星通信「Starlink(スターリンク)」の全機搭載を完了したほか、柔軟な価格戦略などで増収となった。スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)は、供給減により旅客収入が4.8%減の50億円だった。
単価はZIPAIRが4.5%増の6万3029円、スプリング・ジャパンが48.5%増の2万8008円。イールドはZIPAIRが1.8%増の9.9円、スプリング・ジャパンが57.2%増の17.7円、ユニットレベニューはZIPAIRが16.8%増の8.8円、スプリング・ジャパンが50.2%増の14.9円となった。
非航空系事業のうち、マイル/金融・コマース事業は、売上収益が13.3%増の563億円、EBITは17.6%増の120億円だった。JALカード決済額の増加やグローバル提携の強化により、非航空領域の発行マイル数が増加した。
グランドハンドリング受託などの「その他事業」は、中国と中東における外国航空会社の減便に伴う受託便の減少などで、売上収益が5.5%減の566億円となった。一方、JAL Innovation Fundの為替評価損益の変動などで、EBITは96.7%増の26億円だった。
財務・為替・配当
有利子負債は8279億円で、2026年3月末比480億円減少した。自己資本比率は、第1回社債型種類株式の発行などで2.6ポイント上昇し42.9%。社債型種類株式などを加味した格付評価上の自己資本比率は3.2ポイント低下し37.1%となった。現金及び現金同等物は1兆1574億円で、同1472億円増加した。
営業活動によるキャッシュフローは978億円のインフロー、投資活動によるキャッシュフローは665億円のアウトフローだった。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合算したフリーキャッシュフローは312億円の黒字となった。
為替の実績は1米ドル159.0円で、燃油はシンガポールケロシンが1バレル182.5米ドル、ドバイ原油が112.5米ドルとなった。
年間配当予想は1株あたり96円で据え置いた。中間配当と期末配当を各48円とする。
27年3月期予想
2027年3月期の通期予想は、4月30日の発表を据え置いた。売上収益が2兆950億円(26年3月期比4.1%増)、EBITが1800億円(17.4%減)、純利益が1100億円(20.1%減)を見込む。
通期予想の前提は、為替が1米ドル150円、シンガポールケロシンが1バレル90米ドル。第2四半期以降の市況がケロシン150米ドル、為替160円となるケースでは、当初予想と比べて利益を490億円押し下げると試算している。業績予想を修正したものではない。
FSCとLCCのEBITは、4月の赤字から5月以降は黒字化し、6月は期初計画を上回ったとしている。
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決算
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