エアライン — 2014年6月26日 21:50 JST

HIS系アジアアトランティック、日本初のカンボジア定期直行便 9月開設

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 エイチ・アイ・エス(HIS、9603)などが出資するアジア アトランティック エアライン(AAQ/HB)は6月26日、カンボジアへの直行便を定期チャーターで開設すると発表した。日本とカンボジアを結ぶ直行便就航は同社が初めてで、成田-プノンペン線を9月3日から週3往復、成田-シェムリアップ線を10月2日から週4往復運航し、ビジネス客や世界遺産アンコールワットへの観光客などの取り込みを図る。

アジアアトランティックの客室乗務員とHISの澤田会長(後列左から2人目)ら=6月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 いずれも定期チャーター便でスタートし、当局の認可を得て定期便に切り替える。両路線ともカンボジアからAAQの拠点であるタイのバンコクへ向かう。ビジネス需要を見込むプノンペン線は、デイリー運航を目指す。

アジアアトランティックの新ビジネスクラスシート(同社資料から)

 機材はボーイング767-300ER型機で、座席数はビジネス30席、プレミアムエコノミー37席、エコノミー150席の計217席。カンボジア線はビジネス客の割合を半分と見込んでおり、ビジネスクラスにフルフラットタイプの新シートを導入し、プレミアムエコノミークラスを新設する。

 AAQの767はこれまでビジネス18席、エコノミー243席の計261席で、ビジネスクラスのシートピッチは42インチ(約1メートル)、機内エンターテインメントはなかった。新シートは60インチに拡大し、映画やゲームを楽しめるタブレット端末を無償で貸し出す。

 新設のプレミアムエコノミーは、シートピッチがエコノミーより10インチ広い40インチ。ビジネスと同様にタブレット端末を無償で貸し出し、アルコール類も無料としてビジネス客を狙う。また、タブレット端末を見ながら食事や仕事ができる新型トレイを採用する。

 往復運賃は9月3日から30日の場合、エコノミーが5万4000円から12万9000円、プレミアムエコノミーが9万9000円から16万9000円、ビジネスが12万9000円から22万9000円で、往復2万円の燃油サーチャージが別途必要。

アジアアトランティックのプレミアムエコノミー(同社資料から)

 AAQは2012年12月の設立で、2013年8月20日に1路線目の成田-バンコク線を開設。その後、スポットチャーターで9月11日から27日まで関西-バンコク間、2014年1月8日から13日までバンコク-ソウル間を運航し、ゴールデンウィーク期間中の5月3日から6日までは成田-シェムリアップ間の運航実績がある。1便に最低1人は日本人の客室乗務員が乗務する。

 HISの澤田秀雄会長は、「アジアの首都で、カンボジアだけは直行便が就航していなかった。アジアで最後に残された首都の直行便だ」と述べた。澤田会長は「(経由便では)5時間ぐらい無駄になる」と直行便のメリットを語り、利便性の高さでビジネス客や年配の旅行者の獲得を目指す。

 8月には成田-バリ間と福岡-バリ間、関西-シェムリアップ間のチャーター便を運航予定。現在2機の767で運航しており、予定していた3機目の導入が遅れている。

 AAQのボビー・A・ハック社長は「タイで反政府デモなどが起きたことで、予想以上にタイのマーケットが厳しくなっている」と説明。増機に時間をかける考えを示した。また、現在の機体はリース期間が2016年までのため、今後の機材をこれから検討するという。

運航スケジュール
成田-プノンペン-バンコク線(成田発運航日:月水金)
往路 成田(11:00)-プノンペン(16:00/17:30)-バンコク(18:30)
復路 バンコク(21:00)-プノンペン(22:00/23:30)-成田(翌日07:30)

成田-シェムリアップ-バンコク線(成田発運航日:火木土日)
往路 成田(11:00)-シェムリアップ(16:00/17:30)-バンコク(18:30)
復路 バンコク(21:00)-シェムリアップ(22:00/23:30)-成田(翌日07:30)

関連リンク
Asia Atlantic Airlines
エイチ・アイ・エス

関西空港20周年でカンボジア行きチャーター 8月HISツアー(14年6月23日)