エアバスは、開発中の貨物機エアバスA350F型機について、メインデッキ貨物ドアの作動システムと貨物搭載システムの地上試験を進めていると現地時間5月11日に明らかにした。試験は独ブレーメンの大型試験設備で実施しており、今年後半に予定する初飛行に向け、認証準備や運航信頼性の確認を進める。

地上で作動試験を実施するA350Fの貨物ドア(エアバス提供)
A350Fのメインデッキ貨物ドアは、油圧ではなく電動で開閉する。エアバスによると、60秒以内に開閉でき、40ノットの風でも作動できるという。ロック機構はエアバスの特許に基づく新設計で、従来のシステムより部品点数を減らし、スペースや重量、コストを抑えるとしている。
ブレーメンの試験設備では、重さ約20トンのフレームに金属製の試験ドアを取り付け、さまざまな構造荷重を模擬しながら開閉を繰り返す。試験ドアは、最終的に使う炭素繊維複合材製ドアと同等の剛性、重量、重心を持たせており、電動アクチュエーターやラッチ機構、センサー、モーター、ソフトウエアの統合を検証する。
貨物搭載システムは、「Cargo Zero(カーゴ・ゼロ)」と呼ぶ実機大に近い試験設備で確認する。試験設備にはメインデッキ貨物ドアの開口部、貨物室内装、作動する貨物搭載システム、制御盤、電動のパワードライブユニットを備える。24メートルの部分実寸大設備で、最大28トンの貨物を想定し、床のたわみや傾きも再現しながら積み降ろしを試験する。

地上で作動試験を実施するA350Fの貨物ドア(エアバス提供)
エアバスは、A350F初号機向けメインデッキ貨物ドアの製造と組立が完了したと4月23日に発表している。スペイン・イジェスカス工場で製造し、仏トゥールーズの最終組立ラインへ搬入した。初号機の胴体に組み込み、今後の試験に使う。
エアバスはA350Fのメインデッキ貨物ドアを業界最大としており、開口幅は4.3メートル、高さは3.15メートル。荷役時の重心を最適に保つため、後部胴体に配置する。
A350Fは開発中の大型貨物機で、ペイロード(有償搭載量)は最大111トン、航続距離は8700キロメートル(4700海里)を計画する。全長70.8メートルは、標準型のA350-900の66.8メートルと、長胴型のA350-1000の73.79メートルの間の長さとなる。エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を選定している。
同等のペイロード・航続性能を持つ前世代機と比べて燃費とCO2排出量を最大20%削減するとしており、今年3月末時点の受注は14顧客から101機となっている。

地上で作動試験を実施するA350Fの貨物ドア(エアバス提供)

A350Fの貨物ドア作動システム統合試験設備(CDAS SIB)の試験実証機(エアバス提供)
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