日本航空(JAL/JL、9201)は、自社運営のCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「JAL Innovation Fund II」を3月中に設立する。運営を担う100%出資の米投資子会社「Japan Airlines Ventures, Inc.(JALV)」を2月25日に設立済みで、活動拠点は米カリフォルニア州シリコンバレーに置く。自社運営のCVCファンドはアジアの航空会社で初、航空領域を超えたフロンティア領域への投資は世界の航空会社で初の取り組みになるという。

自社運営のCVCファンドを立ち上げるJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回設立するファンドは、2019年から外部パートナーとの共同運営で進めてきた1号ファンドに続く2号ファンドで、5000万米ドル規模。1号ファンドのノウハウを基盤に、今回は投資判断から事業連携まで、一貫して自社で担う体制へ移行する。
投資領域は3つに分けた。量子、ロボティクス、ヒューマノイドなど、航空産業の外側から産業構造を変える可能性を持つ最先端技術やビジネスモデルを対象とする「Frontier」、次世代の移動・輸送インフラや宇宙領域でJALのアセットと組み合わせられるスタートアップを対象とする「Next Mobility」、航空、マイル、環境、省人化などでJALの運航、顧客基盤、データ資産を生かし、即効性の高い相乗効果を見込む「Aviation Core」で構成する。
JALVの登記地は米デラウェア州で、CEO(最高経営責任者)には久根﨑将人氏が就く。事業内容は、CVCファンドを通じたスタートアップ企業への投資と事業連携の推進などとしている。
JALは、従来の5カ年の中期経営計画に代え、10年後を見据えた新経営計画「経営ビジョン2035」を3月2日に発表。単年度計画と組み合わせて機動的に運営し、JAL本体を中核とするFSC(フルサービス航空会社)事業に加え、LCC(低コスト航空会社)やマイル・金融・コマース、その他の非航空・周辺事業も成長の柱に位置づける。2030年度にEBIT(財務・法人所得税前利益)を3000億円、2035年度には3500億円以上を掲げ、EBITの構成比率は2035年にFSCが50%、LCCとマイル・金融・コマース、その他の3事業を合わせて残り50%とし、非航空事業を強化していく。
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